14日にソニーが新型コンセントを開発したことを発表しましたがご存知ですか。このコンセント、機器との接触なしにデータをやりとりする技術などを応用したもので、電気機器がコンセントに接続された際に、機器または利用者を判別・認証し、電力との関連付けが可能な「認証型コンセント」になっています。
今後、認証型コンセントが普及すると、利用者は新たに家電製品や電気自動車などの所有者の認証、機器ごとの電力管理・利用、電力利用の許可、過去の電力利用履歴の記録や電子マネーとの組み合わせによる電力課金・決済などができるようになります。さまざまな形で応用も可能で、普段は通電せず、利用時のみ機器認証を行い通電させることができるため、例えば異物を差し込んでも感電しない安全なコンセントを実現することができます。
また、消費電力の「見える化」にとどまらず、電力利用状況データを住宅やビル内、あるいはインターネット上のクラウドサービスを用いて蓄積・解析を行う事で、機器の使用状況や劣化の程度も継続的に確認できます。電力の需給がひっ迫した場合は、医療機器や冷蔵庫などには給電したまま緊急度の低い機器のみ電源オフにすることで、住宅やビル丸ごとの停電を回避する事も可能になります。
本技術、HEMSと組み合わせても力を発揮することが期待できます。認証型コンセントの情報をHEMSが統合することが容易になることで、分電盤単位での管理が主流のHEMSも、本技術によりきめ細かなエネルギー管理ができるようになることが期待できるからです。
50年ほど手つかずで変わっていなかったコンセントも、ついに進化の時を迎えたようです。湯水のように使っていた「電気」を見直す動き、まだまだ続くでしょう。