こんにちは。早稲田環境研究所新人2号です。
今年は猛暑でしたね。私は熱中症にならないようにしっかり水分補給していました。
水を買いすぎて、部屋がペットボトルでいっぱいになっている、なんてことはありませんか?
私はしばらくペットボトルの水を購入していましたが、あまりにもペットボトルが溜まってしまったので、今は水道水を飲んでいます(ちゃんとペットボトルはリサイクルに出していますよ)。
それに関係してですが、最近よくポット型浄水器を見ませんか?
私もかなり昔に使っていましたが、外に放置して海外旅行に行っている間にカビた、という苦い経験があります。
ポット型浄水器はペットボトルを買う量を減らせるので、エコだといわれますよね。
本当でしょうか?
今回はペットボトルとポット型浄水器本当はどちらがエコか計算してみます。
※この計算では原料製造時のCO2排出量のみを考慮しました。輸送、製品製造時のCO2排出量等は考慮しておりません。
なお、今回は以下のサイトからCO2排出原単位を引用しました。
社団法人環境情報科学センター
http://www.lifecycle.jp/manual/CO2_unit_2007.pdf
岡山市環境局当新田環境センター
http://homepage3.nifty.com/kyougikai/kaisi/img/mano-teisei.pdf
今回検討するポット型浄水器は、三菱レイヨン・クリンスイ株式会社のクリンスイCP002です。
クリンスイCP002 WEBページ
http://www.cleansui.com/product/pot/details07.html
なぜこれを検討するかといいますと、単純に私が購入を検討しているからです。浄水機能も高く、なかなかいいのではないかと。
クリンスイCP002の重さは610gです。クリンスイCP002はボディ:AS樹脂、フタ:ABS樹脂、リザーバータンク:MBS樹脂と、カートリッジで構成されています。
カートリッジは活性炭、イオン交換繊維、中空糸膜で構成されています。
それぞれのCO2排出量は以下のようになります。
AS樹脂:2.3kg-CO2/kg ←1kgの樹脂を製造する際に排出するCO2の量
ABS樹脂:2.3kg-CO2/kg
MBS樹脂:記載なし
そこで、MBS樹脂は無視して、クリンスイCP002はAS樹脂、ABS樹脂だけで構成されていると仮定すると、どちらもCO2排出量は同じなので、CO2排出量は2.3kg-CO2/kg×0.61kg (カートリッジを除いたCP002の重さ)=1.4kg-CO2となります。
続いてカートリッジについて考えてみます。活性炭と中空糸膜がどちらも仮に10g含まれているとして、カートリッジの容器の重さが全部で100gとします。また、イオン交換繊維は無視して、カートリッジの素材はABS樹脂とします。
活性炭のCO2排出量は以下のようになります。
活性炭:6.0kg-CO2/kg
また、中空糸膜の原料はポリエチレンです。ポリエチレンのCO2排出量は以下のようになります。
HDPE(高密度ポリエチレン):1.3kg-CO2/kg
よって、カートリッジのCO2排出量は6.0kg-CO2/kg×0.01kg(活性炭)+1.3kg-CO2/kg×0.01kg(中空糸膜)+2.3kg-CO2/kg×0.08kg(ABS樹脂) ≒0.3kg-CO2となります。
つまり、クリンスイCP002のCO2排出量は1.4kg-CO2(本体)+0.3kg-CO2(カートリッジ)=1.7kg-CO2となります。
クリンスイCP002はカートリッジ1つで200Lの水を浄化できるそうです。
さて、ここで問題です。
問題
クリンスイCP002を使って水を浄化する方が、ペットボトルを使うよりも
1.エコである
2.エコでない
3.あまり変わらない
さてどうでしょうか?本当にポット型浄水器は"エコ"なのでしょうか?
答えはまた来週発表します。