「Co2見える化 井戸端会議室」では、早稲田環境研究所の研究員が身近な環境問題やCO2削減について、ご説明します。今回は「自動販売機と環境?」担当は"まつお"です。
さて。前回に引き続き、自販機の省エネ対策の例をあげていきましょう。
(3)ゾーンクーリング・ゾーンヒーティング
缶自販機の冷却方式には、全体冷却方式と部分冷却方式(ゾーンクーリング)の2通りの方式があります。全体冷却方式は自販機に収納されている商品全体を一定に冷やす必要がある場合に用いられている方式です。一方、ゾーンクーリングは販売される順位に近い下部の商品を優先的に冷却しておく方式で、一定の区間を設けて冷却を行います。部分冷却方式は熱エネルギーが少なくてすみ、冷却装置が小型で能力が小さくても、早く適温に達することができるのでエネルギー効率もよく、省エネに貢献しています。また、加温に関しても同様の方式が取られています(ゾーンヒーティング)。
(4)学習省エネ
この仕組みは自販機の一定期間の売上本数、庫内温度、組合せ運転種類を学習して効率良く運転を行なうシステムで現行機種では標準機能となっている。飲み物が良く売れているときは通常運転をして全体的に飲み物を冷やし、あまり売れていないときはゾーンクーリングなどの省エネ運転にして、次に売れる飲み物を優先的に冷やすことで、効率的な運転をします。
(5)蛍光灯の省エネ
自販機の照明(蛍光灯)は、インバーターによって消費電力量を少なくするようになっています。
また、調光機能によって更なる省エネを図っています。調光機能というのは、照明(蛍光灯)を自動的に点けたり消したりする機能です。
明るさを感知するセンサーによってコントロールしたり、タイマーによって、建物の開館時間やお店の営業時間に合わせてコントロールしたりしています。
さらに、蛍光灯を深夜強制的に消灯する機能もあり、リモコンで簡単に設定できます。
このように、身近な自販機には、意外と様々な省エネ対策が施されています。また、それでも原発1基の80%もの電力を消費しているというのは以外だったのではないでしょうか。
この話を機に、自販機について考えてみていただければうれしいです。
※次回はテーマ「家庭のゴミのゆくえ」で"takafumi"が担当します。
2008/10/9
早稲田環境研究所 研究員 "まつお"