今回はみなさんが入力したデータがどうなっているかを少し分析してみました。非常に興味深い結果になっていたので紹介します。これは、1世帯あたり、1ヶ月あたりのCO2排出量を計算した結果です。
この結果をみると、1世帯あたりのCO2排出量は、200から250kg-CO2となっていることがわかります(注意:これはガソリンの消費量を含んでいます。含まずに計算する場合もあるので注意しましょう)。
一般的に夏はエアコン等を使用するので、CO2排出量は増えるのでは?と思っている方が多いのではないでしょうか?この結果では、夏が近づくにつれてCO2排出量は減少していますね。この原因を探るために個別の項目を見ていきたいと思います。
【電気】
電気の使用量は、夏に向けて増加しています。これは、平均気温が上がって冷房を使用することによるものと考えられます。7月には全体の50%が電気に起因するものとなっています。
【ガス(都市ガス・LPG)】
ガスは、夏に向けて減少傾向になっています。お風呂を沸かさずにシャワーで済ませたり、お湯を沸かさずに冷たいものを飲むようになってくるとガスの消費量は減ってきます。
【ガソリン】
ガソリンの消費量は、目に見えて減少しています。この部分が、「夏場に向けてCO2排出量が減少した」大きな理由です。その原因のひとつは、「ガソリン価格の高騰」が挙げられるのではないでしょうか?
みなさんの実感と合っているでしょうか?
また、「私の家のCO2排出量は、●●kg-CO2!」と答えられるようになると、「CO2排出量」の感覚がわかってくると思います。
次回に向けて、ひとつ質問をします。
「みなさんの家庭でいちばんエネルギーを使っている製品は何だと思いますか?」
次回までにご家庭でいろいろ話し合ってみてください。
2008/10/30
早稲田大学環境総合研究センター
准教授
株式会社早稲田環境研究所 代表取締役
小野田弘士