CO2は、化石燃料が燃焼することによって発生します。したがって、実際には複雑な化学反応式によってその発生量を算出します。
しかし、そんな難しいことをしなくてもCO2排出量は比較的簡単な計算式で求めることができます。以下の式を覚えておいてください。
CO2排出量=CO2排出係数×消費量
ここで、CO2排出係数とは電気やガス、ガソリン等のエネルギー種別に定められた値で、政令等で指定されています。
また、消費量は実際に使ったエネルギー量です。つまり、使ったエネルギーとその消費量さえわかればCO2排出量は簡単に計算することができます。注意するのは、単位だけです。
469maランドでも、このロジックを使って皆さんのご家庭のCO2排出量を計算しているのです。主なCO2排出係数の一覧を下図に示します。
電力のCO2排出係数は、電力会社ごとに公表されています。だいたい0.3-0.5kg-CO2/kWhの範囲に収まっていますが、この差は各電力会社の保有している発電所の種類に依存します。
CO2を排出しない原子力発電や水力発電の割合が大きいとこの値は小さくなり、石炭や石油等の火力発電の割合が大きいとこの値も大きくなります。
ちなみに、ガソリン1Lを燃焼すると約2.3kgのCO2を排出します。以前「何でガソリン1L(約1kg弱)でCO2が2kgでるのか?1kgじゃないのか?」と質問されたことがあります。
これは、冒頭にも申し上げたように化学反応なので全くおかしなことではありません。ガソリンが燃焼すると、エネルギーを発生するとともにCO2だけでなく水等も発生します。これら化学反応全体でみると、質量保存の法則は成り立っているのです。
具体的な数値の例を示します。電力会社の例として、3社を挙げましたが、この違いはどこからくるのでしょうか?
これは、「電源構成」に依存します。原子力発電所が多い電力会社はこの値は小さくなります。
ここでは、東京電力と九州電力が該当しますが、東京電力に関しては、柏崎の原子力発電所が止まっていますので、平成20年度の値は、0.425kg-CO2/kWhとなっています。中部電力のように火力発電(とくに石炭)の割合が大きいと排出係数(原単位ということもあります)は大きくなります。「電力は0.3-0.5kg-CO2/kWh」という感覚を覚えておくとよいでしょう。
その他、よく使われる燃料の例は以下のとおりです。単位の違いさえ、気を付ければ計算自体は難しくありません。余談ですが、この単位を間違えて集計している事業者様も時々いらっしゃるようです・・・・。