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みなさんは夏の訪れを感じる食材というと何を思い浮かべるでしょうか。

私は断然そら豆です。ゆでると美しい翡翠色になり、この色が「もうすぐ夏がやってくる」と思わせてくれるのです。そら豆はお店に並ぶ期間が短く、食べれる季節限られています。天に向かって伸びるように生えるので「空豆」、たカイコの形似ているので「蚕豆」という字が使われる場合もあります。

そら豆の薄皮の黒い部分は「お歯黒(おはぐろ)」といいます。この部分には面白い昔話があるので、ちょっと紹介しましょう。

 

 昔、おばあさんがそら豆を煮るためと鍋に入れようとしたところ、一粒のそら豆鍋からこぼれ落ちて、庭の隅にコロコロと転がってしまいました。おばあさんは付かず、鍋に火をつけようとワラを持って来ましたが、そのときに風が吹き一本ワラも庭の隅に飛んでいきました。

 さらにおばあさんは火を炊きつけてそら豆をていると、赤くなった炭が一本下に落ち、これも庭の隅に転がっていきました。

 庭の隅ではそら豆が「わたしたちがここで出会ったのも何かのご縁。一緒お伊勢 参りに行きませんか」と誘います。これに賛同したワラと炭とともに出かけることになりまた。途中、川に行き当たりますが、この川には橋がなく渡るとができません。そこでワラは「わたしは背が高いので橋になるから、渡ってください」といい、そら豆が渡ろうとすると「わたしが先に渡る」と炭が怒り出しました。そら豆負けじと「わたしが先だ」と言い返しケンカになります。挙句、炭はそら豆を突飛ばし、先にワラの橋を渡りはじめました。ところが半分まで渡ったとき、川のれを見た炭は怖くなって足がすくんでしまいます。

 そら豆は「早く渡れ」とせき立てますが炭は動けません。そんな中、ワラは炭の 熱で燃え出して、炭とワラは川に落ちてしまったのです。それを見たそら豆は「先 に渡ろうとするからだ」と大笑い。笑い過ぎてお腹かがはじけてしまい、今度は泣いてしまいます。

 そこに通りかかった仕立屋が泣いているそら豆に「どうしたんで?」と尋ねます。そら豆が事情を話すと、「破れたお腹を縫ってあげよう」と針とを準備しました。ところが仕立屋は緑色の糸を持っていなかったため、黒い糸でったのです。そら豆に黒い筋ができたのは、この時からなのでした。


いかがですか。そら豆を食べるときにお子さんに聞かせてあげてくださいね。


そら豆の栄養面では、ビタミンB1B2C、カルシウムなどミネラルが多く含まれいます。特にビタミンB2は豆類の中でトップクラス。皮膚や粘膜の健康を維してくれます。

そら豆は食感がおいしさの決め手なので、ゆで過ぎは禁物です。また鮮度が落ちるのが早いため、新鮮なものを買ったらその日中に食べるのがおすすめ。 サヤから出すと水分が蒸発して味わいも栄養価も落ちるので、さやから出したらすぐに調理しましょう。ゆでる前に、仕立屋が縫った()黒い部分に切れ目を入れると、塩味が入りやすいうえ、薄皮にシワができにくく、むきやすくなりますよ。

 


お知らせ

この夏も、節電を心がけなくてはならない状況です。これからは電気だけでなくガスなどのエネルギーを節約する「節エネルギー」を目指してみませんか。来月より、この料理ページに「節エネルギー」にピッタリの新企画が登場します

乞うご期待ください!

 

 

 

レシピ「そら豆とトマトと卵の炒めもの」

 

中華の定番、トマトと卵のいため物は、簡単スピードメニュー。

炒めトマトのほどよい酸味とうまみが卵に入って、箸が止まらなくなるおいしです。これにそら豆を足したら、さらにうまみがアップし、そら豆の香も相性ピッタリ。フワフワ食感にほくほくの歯ごたえも加わり、食べごたえもあります。

 

 [材料2-3人分]

 そら豆...10-12個

 トマト...中サイズ 1個

 卵...3個

 青ネギ...2-3本

 酒...大さじ1


 しょうゆ...小さじ1


 オイスターソース...小さじ1


 塩・こしょう...少々


 サラダ油...大さじ1

 

 [作り方]

1.そら豆はさやから取り出し、黒いスジに包丁で切り込みを入れる。鍋にお湯を沸かし、2%の塩を入れ、沸騰したらそら豆を入れて2分間茹でる。ざるに上げ、うちわなどであおいで冷まし、薄皮をむく。

2.トマトは熱湯に入れて取り出し、皮をむいてから一口大のぶつ切りにする。

3.ボウルに卵を入れて溶き、酒、しょうゆ、オイスターソース、塩、こしょうを加えてぜる。

4.中華鍋(なければ大きめのフライパン)にサラダ油を入れて弱めの強火で熱し、トマトとそら豆を入れてサッと炒めたら卵を加えて、大きく返すように手早く炒める。

5.卵がふんわりとしたら火を止め、皿に盛り付ける。

6.万能ネギを散らす。


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そら豆: 撮影日は時期が少し早く、ちょっと小さめのそら豆です。



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トマトぶつ切り : 湯むきしてからぶつ切りにしましょう。



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卵液 : スピードが大事な料理なので、調味料はあらかじめトマトに混ぜておいて

時間を短縮します。



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トマトとそら豆を炒める:

トマトとそら豆を入れたら、トマトから水気が出ないようサッと炒めましょう。



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卵をいれる : お玉やヘラを使って大きく混ぜ合わせるのがコツ。



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完成 : 多少水気が出ても、おいしいスープなので気にしないでOK

ごはんに乗せてもおいしいですよ。





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栽培方法の多様化で、様々な野菜が季節を問わず食べられる時代にあって、生のタケノコは4?5月しか食べられない貴重なもの。この季節以外では、水煮などの加工品が出回りますが、生のタケノコは味わいや香りは別ものと思うくらい格段に違います。調理には少しの手間はかかりますが、ぜひ味わっていただきたいですね。

タケノコと一言で言ってもその種類は約70もあるそうです。一般的に私たちが食べているのは孟宗竹(もうそうちく)の若芽。大型で肉厚、皮には産毛のような柔らかい毛があり、他のタケノコに比べてえぐみが少なく、甘みと歯ごたえがあります。孟宗竹の名は、孟宗という昔の中国、呉の人物が、母が病気の際にタケノコを欲しがったため、雪の中を探した末に掘り当て、それを食べた母も元気になったという孝行話から由来しています。その他、タケノコの種類にはやや硬めであくが強く苦味がおいしさの真竹、長細くてきめが細かい根曲がり竹などがあります。

タケノコは食物繊維が豊富で低カロリー。ダイエットを気にする人に特におすすめの食材です。またビタミンB1B2C、カルシウムや鉄分も含まれています。

古くから「タケノコを掘り始めたら、湯を沸かしておけ」と言われたほど、タケノコは鮮度が命。購入したら、すぐに下茹での準備をしましょう。下茹でには米ぬかと赤唐辛子を使います。米ぬかに含まれるカルシウムが、タケノコのえぐみと結合して、えぐみが中和されるからです。米ぬかがない場合は、米のとぎ汁を利用しましょう。また赤唐辛子もえぐみを抑えてくれる作用があります。タケノコは皮を2-3枚はがし、穂先の部分を斜めに切り落として、皮の部分に縦に一本切れ目を入れます。硬いので、タケノコをしっかり手で押さえて、注意して行ってくださいね。大鍋にたっぷりの水、米ぬか1カップ、赤唐辛子2-3本を入れて強火にかけ、沸騰したら落し蓋をして、湯が吹き出ない火加減で約1時間ゆでます。火を止めたら、茹で汁の中に入れたまま冷まします。下茹でが完了したらすぐに調理をするのがおいしく食べるいちばんの方法ですが、すぐに食べられない場合は密閉容器に入れて、タケノコがかぶるくらいまで水を加えて冷蔵庫で保存します。一日に一度水を替えれば、一週間くらい保存が可能です。

下茹でが完了したタケノコ。さぁ、どんな料理で食べましょうか。存分に味わうには、部分によって調理方法を変えてみるのがおすすめです。穂先は汁物やタケノコの炊き込みご飯に、中央部分は煮物や炒め物に、根元の繊維の強い部分は薄切りにして炒め物や揚げ物に向いています。大きなタケノコが手に入ったら、様々な味わいで旬の味覚を存分に楽しんでくださいね。 


レシピ「焼きタケノコの生のりソース」

 

茹で立てのタケノコはシンプルに焼いて食べるのが一番おいしい。でも焼いたけ...では手抜きのレシピになってしまう。うーん...と考えた末、こちらも旬の生海苔をソースにして焼きタケノコと一緒に食してみたら、うまみの相乗効果でなかなかの美味。素材の味を生かすため、味付けはとてもシンプルです。

 

[材料2-3人]

タケノコ...穂先から中央部分

生海苔...50g

オリーブオイル...大さじ1

バター...10g

白ワイン...小さじ1

塩...適量

 

[作り方]

1. タケノコは下茹でして皮をむき(本文参照)、根元の部分は切り落とし、縦に6-8等分に切る。生海苔は洗って水切りをした後、粗く刻んでおく。

2. フライパンにオリーブオイルを熱し、切ったタケノコを入れて強火で転がしながら約5分、全体に焼き色がつくように焼く。塩少々をふり、薄く味をつける。

3. タケノコを取り出したフライパンに刻んだ生海苔を加え、中火で炒める。白ワイン、塩を加えて炒め合せた後、バターを加えて手早く混ぜて火を止める。

4. 器に3の生海苔ソースを敷き、タケノコを盛り付ける。


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ずっしりと重くて、胴の部分が太いのものがおいしいタケノコといわれています.


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下茹での前に、穂先を斜めに切り、縦に一本切れ目を入れましょう。


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緑がきれいな生海苔。手に入らない場合は焼き海苔で代用してもいいですよ。


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しっかり焼き目をつけるのがコツ。香ばしさがアップします。


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炒めているとふんわり磯の香りが広がります。


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この時期しか味わえない春を感じるメニューになりました。


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今月は、旬まっただ中のハマグリについてお届けします。ハマグリは北海道南部より南、朝鮮、中国、台湾など分布し、淡水の流入するところで干潟から水深12メートル前後までの浅瀬にいます。日本では各地の沿岸で獲れていたようですが、昭和の後半から干拓や護岸工事、水質汚染などで激減してしまいました。天然のハマグリは今では鹿島灘や伊勢湾、瀬戸内海西部の周防灘、有明海の一部以外では絶滅にひんしている状態だそうです。一方、チョウセンハマグリやシナハマグリを移植し、蓄養している産地もあります。このような状況の中、東京湾のハマグリは2002年に漁協などが試験放流を始め、2007年には出荷できるまでになりました。さらに2011年には約50トンまで出荷が回復したというのは朗報。他の貝にはない深い味わいと豊かな海の香りのあるハマグリが、今後もたくさん獲れるようになるよう願うばかりです。ハマグリの産卵期は夏なので、その準備のため春から初夏にかけて身が太り、甘みが増します。

そんなハマグリ、古くから女性にとって縁起のいい食べ物とされてきました。室町時代にはハマグリの貝殻が嫁入り道具のひとつになっていたそうです。また、一対の貝殻は2枚に分けてもぴたりと合うけれど、別の貝殻とは決して合わないことから、「夫婦和合」を表し、縁起がよいとされています。この特長から、平安時代には対になる貝を多く取った人を勝ちにする「貝あわせ」という遊びも生まれました。33日のひなまつりに食べると良縁を招くとされ、この日は鮮魚店もハマグリがたくさん並びますね。お吸い物にすることが多いでしょうか。

ハマグリにはアノイリナーゼというビタミンB1を壊す酵素を持っていて、加熱することで働かなくなるため、生食は避けたほうがいいとされています。アミノ酸組成のよい良質のたんぱく質が主成分で、脂質はわずか。ですから高たんぱく・低カロリーの食材です。独特のうまみの成分は、コハク酸、アミノ酸のグリシン、グルタミン酸など。栄養面では、鉄・カルシウムが多く、マグネシウム・亜鉛などのミネラル類をバランスよく含んでいるので、貧血を予防したり骨を強化するのに役立ちます。また粘膜を保護するビタミンB2や、肝機能を高め、高脂血症を予防、疲労回復にも役立つタウリンも含まれています。一方、不足する栄養素はβ?カロチンやビタミンCなので、緑黄色野菜と一緒に食べるのがおすすめです。

 ところで、今回、ハマグリに由来することで知らなかったことをひとつ発見しました。なるほど! と思ったので紹介します。少年などが非行に走ることを「ぐれる」といいますね。「はまぐり」の倒語として「ぐりはま」という言葉が生まれ、食い違って合わないことを意味するようになりました。これが「ぐれはま」に変化し、さらに「ぐれ」と略されるようになり、この「ぐれ」が動詞になったのが「ぐれる」なのだそうです。みなさんは知っていました?






レシピ「ハマグリのうまみたっぷりパン粉焼き」

 

 ハマグリのおいしさは、なんといっても、蒸したり茹でたりした時に出るおだし。これを残さず味わえる料理です。ハマグリはしっかりと砂出しして準備しましょう。ハマグリから出るだしの塩分で十分なので、塩の味付けは不要。ハマグリの香りとうまみをたっぷり含んだパン粉の表面はカリッ、中はジュワーッ。何個でも食べられそうです!

 

[材料ハマグリ8個分]

ハマグリ(できれば大きめのもの)...8

パン粉...大さじ3

イタリアンパセリ...5

オリーブオイル...大さじ1

白ワイン...大さじ2

 

[作り方]

1. ハマグリと白ワインを鍋に入れてふたをして酒蒸しし、開いたら貝だけを取り出す。余った蒸し汁は大さじ1杯分になるくらいまで煮詰める。

2. イタリアンパセリはみじん切りにする。ボウルにパン粉、イタリアンパセリ、オリーブオイルを入れてスプーンなどで混ぜ合わせる。

3. 貝殻をねじって切り、身のついている貝殻だけ残す。ナイフなどで貝柱を切って身をはずし、?のボウルに取り出した身、煮詰めた蒸し汁を加えてさらに混ぜる。

4. はまぐりを貝殻に戻し、残ったパン粉を上に乗せる。

5. オーブントースターで約5分、表面に焼き色がつくくらいまで焼く。

 

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千葉産の大きめなハマグリが手に入りました

 

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この時期なら苗がおすすめ。

少しずつ切って使って...どんどん芽が出てくるので楽しいです

 

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パン粉にイタリアンパセリとオリーブオイルを混ぜます。

これはグラタンなどのトッピングにもおすすめ

 

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開いたらすぐに取り出しましょう。身がふっくら、プリプリです

 

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ハマグリにもおいしいパン粉をまとわせましょう。殻に戻してあとは焼くだけ


 

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簡単な料理ですが、とても華やか。春のパーティなどにもおすすめです。

白ワインと相性バツグン

今月のクローズアップ食材 「春菊」

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今月は、香りのいい健康野菜の春菊です。その名は、若い菊を食べることや"春に花が咲く菊"ということでついたそうです。響きが美しくて、かわいらしい名前だと思います。独特の香りが特徴ですが、この香りが苦手な人も多いようです。日本と中国くらいでしか食べないというのも、この香りのせいかもしれません。また香りが強いことから、アクも強いイメージですが、アクの原因のシュウ酸という成分は、意外にもほうれん草のわずか4%。ですから生で食べることもできます。香りが苦手という人はぜひサラダでお試しあれ。香りがあまり気にならず、葉も柔らかいので食べやすいですよ。

「健康野菜」と書きましたが、春菊の効能はとてもたくさんあるのです。まず香りの成分は自律神経に働いて、胃腸の働きを活発にしてくれます。漢方でも食欲増進・健胃として使われているそうです。とかく食べ過ぎてしまいがちなお鍋に春菊を加えれば、胃もたれせずにすみそうですね。自律神経に働くということで精神安定の効果もあるそうです。葉を陰干ししてお風呂に入れれば、リラックスした気分になれ、身体も温まり血行がよくなるそうですよ。試してみたいですね。

皮膚や粘膜を保護して免疫力を高めてくれるβカロテン(ビタミンA)も豊富です。また食物繊維も多く、腸の働きもよくしてくれます。体の塩分調整に役立つカリウムは高血圧にも有効。さらに骨や歯をつくるカルシウムは、牛乳と同じくらい含まれています。その他、疲労回復に効果のあるビタミンB1、有害な活性酸素の分解や、脂肪の分解を助けるビタミンB2、美肌効果のあるビタミンC、貧血予防になる鉄分も含まれています。こんなに様々な栄養成分が含まれる野菜なのに、それほどお値段も高くないなんて...。食べないのはソンですね!

購入の際は茎が太過ぎず、緑色が濃く、葉が先までピンとはったみずみずしいものを選びましょう。特に葉先に注目し、黄色くなっているものは避けたほうがいいです。保存の際は、さっと全体を水で洗い、根元には水をしめらせたキッチンペーパーを巻いて、保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に茎を下にして立てて入れておきます。日にちがたつと葉が変色してくるので、早めに使い切るようにしましょう。調理でゆでる際には手早く茹でて、冷水にとって色止めします。この際もビタミンが流れ出てしまうため、すぐに引き上げてください。ゆでて保存する場合は水気をしっかり絞って、2-3日で使い切るようにしましょう。

 

 

 

 

 

レシピ「春菊のいり豆腐」

 

春菊といえば鍋料理が定番。その他、和え物やおひたしくらいしか出番がないというご家庭も少なくないのでは?前述のとおり、サラダもおすすめですが、今回は炒め物に活用してみました。春菊を買っても余ってしまう、バリエーションが少なくて飽きてしまうという方、ぜひお試しくださいね。

 

[材料約3-4人分]

春菊...1

木綿豆腐...1

ちくわ...1-2

こんにゃく...100g

卵...1

ごま油...小さじ1

しょうゆ...小さじ1

酒...大さじ1

砂糖...小さじ2

塩...少々

 

[作り方]

1. 豆腐は上にバット(皿でも可)を乗せ、重しを上において水切りする。春菊はさっと下茹でして冷水にとり、すぐに引き上げて色止めし、水気を絞って2?くらいに切る。こんにゃくは沸騰した湯にくぐらせてアク抜きし、冷めたら短冊切りにする。ちくわは半月切りにする。

2. 鍋にごま油を入れて中火にかけ、こんにゃくを入れて水分がなくなるまで炒める。ちくわを加えて炒め合わせる。

3. 水切りした豆腐をちぎりながら加え、ヘラなどを使って豆腐をほぐすように炒め合わせる。

4. 春菊を加えて炒め、酒、砂糖、しょうゆを加えてさらに炒め合せ、味見をして塩で味を調整する。

 

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これだけ食べればβカロテンもしっかり摂れますね

 

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材料はこのように切っておきましょう。

豆腐はしっかり水切りすれば、水が出にくく炒めやすいです

 

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手で千切って豆腐を加えていきましょう

 

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春菊が入ったらサッと炒め合せるのがコツです

 

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水分が飛んでいるのでお弁当のおかずにもピッタリです

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 毎月、野菜をメインにクローズアップしてきましたが、今月は羊肉の登場です。日本での牛肉の消費量は124万トン、豚肉は242万トン、鶏肉は183万トン、そして羊肉はわずか2.7万トン(農林水産省食料需給表より)と日本人にはまだまだ馴染みのない羊肉ですが、実は健康パワーがいっぱいのお肉なのです。

 まずは羊肉の名称について紹介しましょう。「ラム」生後1年未満の子羊、「マトン」は生後2年以上から7年くらいまでの成長した羊肉のことをいいます。また生後1年以上2年未満の羊を「ホゲット」といいます。日本では、ラムとマトンの名が一般的になっていますね。ラムはマトンに比べ匂いが少なく、味にもクセがないのが特徴。一方、マトンは牧草のような独特の匂いがありますが、肉そのものの味がしっかりしています。この匂いがかつては日本人にはなかなか受け入れられにくかったのですが、近年人気のジンギスカンでは、ラムもマトンも上手に味付けされて食べられていますね。残念ながら国産羊肉の流通は非常に少なく、現在世界最大の羊肉の輸出国はニュージーランドです。

羊肉の最大の健康パワーといえば、体脂肪を分解してくれるということ。その成分は「L-カルニチン」です。L-カルニチンは通常、体の中で作られますが、老化とともに体内の含有量は減るため、年齢を重ねると運動をしてもなかなか脂肪が分解されにくくなってしまいます。そこで食べて、L-カルニチンを補給するというわけです。羊肉は他の食品と比べ、L-カルニチンの含有量が非常に多く、豚肉の2倍以上もあるのです。

でも「お肉にはコレステロールも多く、たくさん食べると太ってしまう?」と思いがちですが、羊肉は魚肉と同レベルぐらいの低コレステロールです。そのうえ羊肉には、コレステロール値を下げて、動脈硬化や血栓ができるのを防いでくれる「不飽和脂肪酸」が豊富に含まれているのも特徴。ですから生活習慣病の予防をしたいという人に食べていただきたいお肉なのです。さらに鉄分も豊富なので、女性には特におすすめです。古くから中国では漢方として、羊肉には身体を温める作用があり、冷え性や生理不順などの効果があるといわれてきたため、特に寒い内陸部の高原地帯では積極的に食べられています。香辛料が上手に使われていて、保存性が高いうえ味わい深い料理が多く、羊肉を使用した中国料理は私も大ファンです。
 羊肉の食べ方としては、ジンギスカンのようにタレに漬け込むのがおすすめ。本格インドカレーにも、羊肉は相性がいいです。子羊の背肉部分のラムチョップなら、ローズマリーで香りをつけてソテーにするとちょっと豪華な料理になりますよ。

 

 

 

 

 

レシピ「ラム肉と玉ねぎのクミン炒め」

 

クセが少なく赤身の多いラムの肩肉で、中国料理のひとつ「葱爆羊肉(ツンバオヤンルー)」をアレンジしたメニューを作ってみました。味の決め手はカレーなどに使われる香辛料のクミンシード。爽やかな香りがラムとの相性ぴったりです。唐辛子のカプサイシンのパワーもプラスして、食べて脂肪燃焼しましょう。

 

[材料約2-3人分]

ラム肩肉薄切り(切り落としでも可)...150g

玉ねぎ...1/2

にんにく...1

クミンシード...小さじ1

一味唐辛子...小さじ1/2

オイスターソース...小さじ1

酒、大さじ1

塩...小さじ1/2

サラダ油、大さじ1

香菜...適量

 

[作り方]

1. にんにくは皮をむいてすりおろし、バットかボウルに入れ、クミンシード、一味唐辛子、オイスターソース、酒、塩を加えて混ぜる。

2. 1.にラム肉を加え、調味料がまんべんなく染み込むように、手で揉みこむように混ぜ、10分間置く。玉ねぎはくし型切りにして、塩少々(材料外)をふっておく。

3. フライパンにサラダ油を入れ、中火にしてフライパンから煙が出てきたら?のラム肉を加えて炒める。肉の色が変わったら、玉ねぎを加え、強火にして一気に炒める。

4. 皿に盛り付け、香菜を手で千切って散らす。

 

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写真は背肉部分のラムチョップです。今回の料理では肩肉の薄切りを使っています

 

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クミンシードは必ず用意してください。味の決め手になります

 

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スピード料理ですが、しっかりラムに味を入れる作業が重要なポイントです

 

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炒め時間はおよそ3分。水分が出ないよう、一気に炒めるのがコツです

 

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ごはんがたくさん食べられそうなおかずメニューです。

ラム肉のおいしさがわかってもらえるはず!


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「蕪栗沼・ふゆみずたんぼプロジェクト」は、震災復興と地域活性化のために宮城県大崎市が取り組むプロジェクトです。大崎市には日本最大のマガン越冬地である「蕪栗沼」があります。蕪栗沼と周辺水田は、200511月にラムサール条約湿地にも登録されました。冬になるとシベリアから渡ってくるマガンや白鳥などの渡り鳥が10万羽を超え、昼は沼周辺の田んぼで落ち穂をついばんだり、水を張った水田で過ごしています。日没前には四方八方から帰ってきて「ねぐらいり」をします。朝、日の出頃にいっせいに田んぼへと飛び立つ姿は、地響きのような音をともない壮観です。3月ともなると、ふたたびシベリアへの4,000kmの帰路につきます。


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朝一斉に数万羽のマガンが飛立つ


 以前は、蕪栗沼の水面が狭く、年々増える渡り鳥が越冬できる環境を保つことや、沼の水質悪化を防止すること、そして渡り鳥が稲の穂を食べてしまう食害が、大きな課題となっていました。そこで、2003年、地域の10軒の農家が、これらの問題を解決するために、渡り鳥との積極的な共生を目指す取組みを始めました。それが、冬期間水田に水を張る「ふゆみずたんぼ」です。冬は田んぼを渡り鳥の休息地として、春から秋にかけては有機栽培でお米づくりを行います。


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日中田んぼで過ごす白鳥


 「ふゆみずたんぼ」により冬場に稲わらの分解が進み、今では微生物や生きものがすっかり豊富な土壌になりました。生きものとの共生をめざす農家の思いが育んだ「ふゆみずたんぼ米」の誕生です。ちなみに大崎市はササニシキやひとめぼれ発祥の地でもあります。一粒一粒に大自然の命が宿る、自然にも身体にもやさしいお米ができるようになりました。


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黄金の稲穂。上空にマガンの群れ


 地域の農家、NPO、市民、事業者、自治体が協働し、取組んできた豊かなコミュニティづくり。生地域の人々の営み、自然の美しさ、命の大切さを沢山の方に知っていただきたい、ふゆみずたんぼを広めたいという思いで、「蕪栗沼・ふゆみずたんぼプロジェクト」(2011年度、総務省「緑の分権改革調査事業」)が始まりました。


 プロジェクトでは絵本や映像の制作をはじめ、仙台で開かれているマルシェやツアーを開催してふゆみずたんぼや渡り鳥、そこでできたお米のプロモーション活動に着手しているところです。また、蕪栗沼の陸地化を防ぐために沼に生えている葦(よし)をペレットに加工して、熱源に使おうという試みも行っています。さらに、「ふゆみずたんぼ」が津波被害を受けた水田の塩害抑制に効果があることから、南三陸や石巻などの周辺自治体の被災水田のふゆみずたんぼによる復興にも取り組んでいます。


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上空から見た蕪栗沼


 ふゆみずたんぼによる有機農業、10万羽を超える渡り鳥との共生、美しい自然など、命を育み、大切にする温かい気持ちが地域の人たちから伝わってきます。ここでも、地域の市民、農家、NPO、事業者、自治体が協働し、豊かなコミュニティが育まれています。

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大根の古くからの呼び名は「すずしろ(清白)」。そう、春の七草のひとつです。大根には消化酵素のジアスターゼが豊富に含まれており、消化を促進して胃酸をコントロールし、胃もたれや胸焼けを解消します。その効果は胃腸薬にも配合されるほど! 年末年始の暴飲暴食で、疲れた胃腸を復活させるのにピッタリの野菜です。胃腸が弱ってくると、体力や免疫力が低下して、風邪もひきやすくなるので、ぜひこの時期に大根を食べて体調を管理しましょう。

大根の成分は胃腸の働きを助ける他、辛みにはアリルイソチオシアネートというからし油の成分があり、痰を切る効果もあります。また大根に含まれるビタミンCは、肝臓の働きを助ける作用があるため、飲み過ぎにも有効です。

大根の旬は秋冬で、全体の7割を占めます。日本の大根生産量は世界一とされていますが、作付面積・収穫量とも減少してきているのが現実です。また現在の主流品種は「青首大根」で、作付面積の98%を占めるそうです。辛みが少なく甘みが強いこと、地上に伸びる性質が強く収穫作業が楽なことなどから昭和50年代に急速に普及しました。水分が多くて柔らかく、煮崩れしにくいので調理がしやすく、おろしても辛味が少ないのが特徴です。

その他の品種には、世界最大の大根として有名な「桜島大根」、カブのような形の京野菜「聖護院大根」、汁気が少なくとても辛いミニサイズの「辛味大根」、ゴボウのように細い「守口大根」、緑の部分が少ない「白首大根」などがあります。また神奈川産の「三浦大根」は大正時代に地大根と練馬種を交配改良したもので、かつてはおでんや正月のなますは三浦大根に限る、というほどだったのですが、今ではほとんど見られなくなりました。そのいちばんの理由は大き過ぎること。株間を多く取らなければいけないため、作付けが少なくなってしまううえ、収穫の時に力がいるため作業が大変です。さらに店頭でも場所を取り過ぎてしまうため、敬遠されるようになってしまいました。これだけたくさんの品種がありながら、青首大根ばかりになってしまったのは少し残念でなりません。料理に合わせて様々な地大根を選べるようになることを願っているのは私だけではないでしょう。

さて、大根は葉に近い部分ほど辛味が弱く、下にいくほど辛味が強くなります。また大根おろしにする際、甘くしたいときは葉に近い方を使用し、おろし金に対して垂直に立て、優しく円を描く様におろすのがコツ。一方ピリッとした辛さを味わいたいときは先端部分を使用して、おろし金に対して直線的に、力強くおろすのがコツ。細胞がより細かく破壊され、辛み成分が活性化するからです。

最後に「大根役者」の語源について。様々な説があるものの、大根は食材として利用範囲が広く、どのような調理で食べても消化を促進し、めったなことでは食あたりしないことから、「役者として当たらない」=「大根役者」となったというのが有力です。大根のいいところが、マイナスの慣用句に使われているのですね...。





レシピ「大根と手羽元のトマトスープ煮」

 

大根といえば和食になりがちですが、洋風のスープ煮にすれば子供も喜んで食べてくれそうです。しかも鶏とトマトでダシが出るため、調味料は塩・こしょうのみと簡単! 捨ててしまいがちな葉の部分も、ビタミンCやビタミンAなどがたっぷり含まれています。薬味に使って一緒に食べましょう。大根と鶏手羽元を短時間で柔らかく仕上げるため、今回は圧力鍋を使用しましたが、普通のお鍋で作る場合は弱火で30分くらい、アクを取りながらじっくりと煮てくださいね。

 

 [材料約3-4人分]

大根...1/2

鳥手羽元...4-5

ミニトマト...8

サラダ油...小さじ2

塩・こしょう...適量

 

[作り方]

1. 大根は皮をむき、2?くらいの厚さの半月切りにする。葉は根に近い部分を小口切りにする。

2. 圧力鍋にサラダ油を入れて弱めの中火で鶏手羽元の皮の部分を下にして焼付け、裏返して両面に焼き色をつける。

3. 大根を加え、両面に焼き色をつける。ヘタを取ったミニトマトを加えて、ヘラなどでトマトをつぶしながら炒める。下味に塩少々を加えて炒め合わせる。

4. 600mlを加えてふたをして、沸騰してから10分間煮る。火を止め、そのまま自然放置して内部の圧力を下げてからふたをはずす。

5. 再び火にかけて味見し、塩・こしょうを加えて調味する。小口切りにした葉の部分を加えて火を止める。

 

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青首大根です。保存の際は葉から水分が蒸発してしまうため、葉を切り取っておきましょう

 

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今回使用しない大根の皮も捨てずに、細切りにして大根の葉の小口切りとちりめんじゃこと一緒に炒めてキンピラにするのがおすすめです

 

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コンソメを使わない代わりにしっかりと焼き色をつけるのがコツ。おいしいダシが出ます

 

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圧力鍋での調理はふたを開ける瞬間が楽しみ。おいしそうなスープに仕上がりました

 

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短時間調理で鶏肉も大根も柔らか。シンプルだけれど滋味豊かな料理です

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震災から9か月、当初は毎月のように、ここ数カ月は毎週のように東北に通っています。行先はいろいろです。宮城県気仙沼市、大崎市、南三陸町、石巻市、亘理町、岩沼市、塩釜市、そして福島県いわき市・・・

被災地の様子を拝見し、被災された方からお話をうかがい、ボランティア活動に参加するなどしました。7月には認定NPO法人女子教育奨励会(JKSK)が主催する「結結(ゆいゆい)プロジェクト 東北と首都圏の女性交流会 第1回車座 in亘理町」に実行委員の一人として参加しました。

「結結プロジェクト」は、JKSKが東日本大震災を機に、東北で復興活動に取り組む女性たちの課題や取り組みに関し、首都圏の女性たちが共に考え、支援・協力・応援をしていくために立ち上げたものです。東北で活動する女性と、首都圏で社会の課題を解決することを仕事としている女性たちとの車座(交流会)を定期的に開催していきます。回を重ね、参加者を増やすことによって、新しい価値観で新しいコミュニティを創造する女性ネットワークを100人以上に拡げていこうという考えです。もちろん、女性だけではありません。志を同じくする男性にも参加いただいています。

亘理町で開かれた1回目は、ボランディアセンターや津波被害の現場訪問の後、蔵王のホテルに場所を移し活動報告会、そして翌日午前中3時間をかけて、東北の女性たちが抱える課題の解決策を皆で話し合うワークショップを行いました。参加者は東北・首都圏合わせて42人、男性も5人ほど。

 

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東北と首都圏の女性たちが熱心に語り合う

 

その場で出されたアイディアのいくつかは実際にプロジェクトや調査が始まりました。また、「次の車座の開催をぜひいわきで!」という福島県いわき市からの参加者の要望を受け、12/2から3日、第2回車座がいわき市で開催されました。今回は見学や意見交換に加え「未来のエネルギーを考えるシンポジウム」も開催しました。

 

移住先としても人気だったいわき

福島県いわき市は人口約33万人。東北地方で最大の工業都市です。また、フラガールで有名なスパハワイアンズや温泉、水族館など多彩な観光資源があり、観光客数は県内第1位の年間約1,102万人でした。また、東北地方では年間日照時間が最も長い地域でもあります。

震災前のいわきは、首都圏から高速道路で2時間半と比較的近く、海があり温暖な気候ということもあり人気の移住先でした。それが、震災により津波、地震、原発事故の甚大な被害を受け、海では海水浴も漁もできなくなってしまいました。農地は耕作されない場所が増え、農産物は放射線が検出されずとも売れません。また、湯本温泉や海水浴場などもありますが、観光客の姿もほとんどありません。

 

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久ノ浜地区。解体される家屋に咲く花

 

今回の参加者は60人ほど。地域の課題解決を検討するワークショップは8つのテーマで話し合いました。いわきを再生可能エネルギーの拠点にしよう、畑に綿や菜種を植えよう、若い人考える復興計画をつくろうなど、様々なアイディアが出されました。

実際、いわきは使用されている電力使用量の約3倍の再生可能エネルギーのポテンシャルを有する町です。長い日照時間を活かした太陽光、風力、温泉熱、小水力・・・多くの可能性があります。

 

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各地から専門家・実践者が集まったシンポジウム

 

2012年、これからが復興活動の本番です。特に原発事故の被害を受けた地域の震災復興にはこれから長い年月がかかるでしょう。いわきの海で特産だった「メヒカリ」という魚を食べることができる日もまた来るにちがいありません。私はいわきで出会った皆さんと一緒に、再生可能エネルギーを中心とした地域コミュニティづくりに来年は取組みたいと考えています。

 

※認定NPO法人JKSK http://jksk.jp/j/index.html

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先月のほうれん草に引き続き、冬が旬の葉野菜、小松菜の登場です。小松菜は冬場に収穫されるため、"冬菜"とも呼ばれます。寒さに強く、霜を受けるとより一層おいしくなる元気野菜です!

我が家の食卓で、いちばん出番の多い葉野菜がこの小松菜。他の葉野菜と比べて味にクセがないので、和洋中さまざまな料理に使えるのでとても重宝なのです。シャキシャキとした食感がよく、下茹でせずに手早く調理できるというのも出番の多い理由ですね。

 見た目はほうれん草に似ていて、含まれる栄養素もビタミン類、カルシウム、カリウム、鉄などほうれん草とほぼ同様ですが、カルシウムの量は、なんとほうれん草の5倍も。このカルシウムは骨や歯の発育に役立ち、骨粗しょう症の予防には欠かせません。また成長期のお子さんにも積極的に食べてもらいたいですね。さらにカルシウムは神経の伝達をスムーズにして気持ちを落ち着かせてくれるので、ストレスが溜まってイライラしているときにもオススメ。その他、鉄は貧血予防に、ビタミンA(β-カロチン)は風邪予防に効くので、これからの季節にはピッタリなのです。

小松菜の名前の由来は知っている人もいると思いますが、日本では東京都江戸川区"小松"川が原産地だからです。八代将軍徳川吉宗が、小松川の近くに鷹狩りに来て、神社で昼食をとった際に出された葉野菜の汁物のおいしさに感激して、地名から小松菜と名付けたといわれています。今でも生産地は関東地方が中心で全国の8割を生産、そして相変わらず東京都が日本で一番の産地です。大都市の東京で育っているなんて、小松菜はなんだか人間同様に、どんな環境でも負けずにがんばっているイメージがします。そんなことを思いながら、おいしくいただきましょう。

  食べ方はさっと茹でて和え物やおひたしが手軽です。茹でたら塩とゴマ油、一味唐辛子でよくあえて、ナムルにするのが私は好きです。また油炒めのように油を使って調理すると、ビタミンAの吸収率がよくなります。和風だけでなく、ベーコンや卵などと一緒に洋風炒めもおいしいですよ。アクが少ないため離乳食にも向いています。下茹でしたらみじん切りにして、すり鉢やフードプロセッサーですりつぶして、料理に加えるといいですね。ビタミンCは壊れやすいため、加熱はできるだけ短時間にしましょう。小松菜は傷みやすく、葉が黄色くなったら鮮度の落ちた証拠。ぜひその前に食べてくださいね。

 

 

 

 

 

 

レシピ「小松菜とこんにゃくの油炒め」

 

小松菜のビタミンAを効率的に吸収する炒めものです。これは、今は亡き私の義母の得意料理でした。宮城県の主人の実家に遊びに行ったときに作ってもらい、初めて食べたときはそのおいしさに感動。これぞ"和食の油炒め"というシンプルな料理で、動物性の脂肪が一切入っていないのに、しっかりとコクがありご飯のおかずにピッタリ。突きこんにゃくがなければシラタキでもOKです。さつま揚げの代わりにちくわや鶏ささみ肉、ツナの缶詰もおいしそうですね。

 

 [材料約3-4人分]

小松菜...1

突きこんにゃく...1パック(200g)

さつま揚げ...2

だし汁...大さじ2

しょうゆ...大さじ11/2

酒...小さじ2

キビ砂糖...小さじ2

ゴマ油...小さじ2

 

 

[作り方]

1.小松菜はサッと洗い、4センチ幅くらいに切ってから水の入ったボウルに入れて泥をしっかり取り、手ですくい、ざるに上げて水気を取る。

2.さつま揚げは1センチくらいの短冊切り、突きこんにゃくは長い場合は食べやすい長さに切る。

3.フライパンを中火で熱し、さつま揚げを並べ(油は不用)、全面に焼き色がつくまでころがしながら炒める。突きこんにゃくを加え、水分がなくなるまでしっかり炒める。

4.小松菜を加えて炒め合わせ、だし汁を加えて水分を具材に入れるようにさらに炒め合わせる。

5.小松菜がしんなりしてきたら、酒、キビ砂糖、しょうゆを加えて炒め合わせ、最後にゴマ油を加えて強火にし、一気に炒め、皿や鉢に盛り付ける。

 

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葉がピンとして緑の濃い小松菜を選びましょう

 

111202_no.2.JPGのサムネール画像

材料はこれだけ。準備しやすい食材ばかりです

 

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焼き色がつくまでさつま揚げを炒めれば、全体の味の"コク"になります

 

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小松菜一把分を加えるとフライパンの中は小松菜でいっぱいになっちゃいますが...

 

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中火で炒め合わせるとあっという間にカサが減りますね

 

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ゴマ油を最後に加えたので、少量でも香りとコクが生きます。
ヘルシーなのでたくさん食べてもOKです

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「リトルプレス」をご存知ですか?個人や仲間とつくる小冊子のことで、大手の流通を通さずに販売する出版物です。全国各地でリトルプレスが出版されています。金沢の『そらあるき』、倉敷の『暮らしき』など、それぞれ地域の魅力を丹念に暮らし目線で取材し制作されています。各地のリトルプレスを集めている書店もあります。


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各地で発行されている

 

『弁当と傘』というリトルプレスが兵庫県豊岡市でも10月下旬に発行されました。一瞬このタイトルを見て、どういう意味?と思ったのですが、ああそうか「弁当忘れても、傘忘れるな」は、子供が学校に行くときに、おばあさんが毎日そう言うほど、豊岡や但馬(たじま)地域は雨が多いという話を聞いたことを思い出しました。

 

表紙は豊岡市城南町にある昔ながらの商店に3歳の女の子が傘を持って立っている写真です。懐かしい温かい気持ちになる表紙です。もくじページには菜の花が満開の円山川の美しい写真が載っています。


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『弁当と傘』

 

創刊号ということもあり、特集は「人をとりこにする鳥 コウノトリ」。出石の皿そばや、但馬唯一の映画館である「豊岡劇場」、なつかしいおやつなど紹介されています。行ってみたい、食べてみたいものがいくつもありました。今日の弁当というページには中貝市長の愛妻弁当も。ご飯はもちろんコウノトリ育む農法で育てられたお米だそうです。

 

『弁当と傘』を制作したのは豊岡や但馬が大好きなデザイナー、ライター、企画などの仕事をしている30代の女性4人です。そのお一人である山根和恵さんにお会いしてきました。山根さんは「蜩珈琲(ヒグラシコーヒー)」戸牧(とべら)店の店長さんです。


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蜩珈琲店長の山根さん

 

蜩珈琲が豊岡にオープンしたのは82年前の1930年のこと。山根さんは創業者のお孫さん大阪の大学を卒業して豊岡に戻り、蜩珈琲本店で5年務めた後、戸牧店の店長になりました。本店時代は商店街の販促委員会に所属し、色々なイベントや企画を提案し実施してきました。そして2年前、『弁当と傘』の発行人でありこの本の企画を温めていたグラフィックデザイナーのスワミカコさんと出会いました。今年3月末からメンバーはそれぞれ仕事の合間をぬって取材や編集にあたり、半年余りをかけて完成しました。

 

「町がどんどん新しいものに切り替わっていく。古い店など良いものが無くなってしまうので、残していきたいものを紹介していこうと。」と山根さん。

よそに行っていたからこそ、改めて気がついた故郷但馬の魅力。建物は一般的には経年劣化していくと言われますが、住まい手や地域の人たちが大切にしていくことで、建物も町も経年優化させることができると思います。

 

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豊岡市のアンテナショップ。今年9月オープン

 

32ページ、フルカラーで600円。蜩珈琲店で買うことができます。すでに鳥取、福知山、大阪、京都、そして東京の有楽町交通会館1Fにある豊岡市のアンテナショップ「コウノトリの恵み 豊岡」でも販売されているということです。

あなたの街にもリトルプレスありますか?