冷え性の人にとって、辛い季節になりました。ゆっくり入浴したり、最近流行の湯たんぽで温めてみたり...。でもすぐに手足が冷えて困ってしまうという人も多いでしょう。 かくいう私も、以前は冷え性とは無縁だったのですが、ここ数年、布団に入ってもなかなか足が温まらず、寝つけないこともしばしば。血の巡りが悪くなっていることを実感しています。そんな私たちの強い味方、今回は「生姜」についてお届けします。 生姜はもともと中国やインドで香辛料や伝統医学に使われてきました。どちらも食べることで健康を維持するという考えの強い国。生姜の様々な効能を、早くから見つけていたのでしょう。インド原産の生姜の学名は「Zingiber officinale」。「officinale」の意味は「薬効がある」です。この名からも、生姜が薬とされていたことがわかります。 生姜のいちばんの効能は、なんといっても血液の流れをよくして、身体を温めるということ。体の冷えは万病の元です。肩こり、息切れ、肌荒れ、頭痛、めまい、生理痛、生理不順、さらには脳梗塞や心筋梗塞など様々な症状の原因が、冷えから起こることもあるので要注意です。 また生姜は風邪の予防や、のどの痛みにも役立ちます。その他にも食欲増進、消化の促進や、解毒の効果も。わさび同様、生姜が刺身などなまものの薬味に使われるのは理にかなっているというわけです。また腸の働きをスムーズにし、下痢や便秘にも効果があるといわれています。さらに新陳代謝を活発にしてくれるので、ダイエット効果もあります。 そんな生姜ですが、薬味や料理の味付けに使う以外には、なかなか出番が少ないもの。この冬を乗り越えるために、いろいろ活用してみませんか。まず簡単なのが生姜湯です。すりおろした生姜と蜂蜜や黒糖を入れた湯を煮立て、片栗粉でとろみをつけるだけ。とろみで保温効果がアップ。寝る直前に飲めば、体がポカポカして安眠できそうです。 皮付きのまますりおろした生姜を、ガーゼに包んだり、お茶やダシの煮出し用に市販されている紙製の袋に入れて湯船に入れれば生姜風呂にも。生姜の香りが爽やかで心地よく、湯冷めしにくくなります。 最後は生姜湿布。生姜風呂と同様に、皮付きのまますりおろした生姜を袋に入れ、沸騰したお湯に入れて火を止めます。この中にタオルを入れて、70℃くらいになったらタオルを取り出し、軽く絞ります。そして肩こりや痛みのある部分に2?3度、繰り返して当てれば痛みが和らぎます。ただし刺激が強いので、肌の弱い人には向きません。 生姜は常温で3?4日保存できます。また洗って水気を拭いてからラップにくるんだり保存パックで密閉すれば、1ヶ月くらい持ちます。でも今回紹介した方法で活用すれば、新鮮なうちに使いきれそうですね。 レシピ「ジンジャークッキー」 生姜は英語で「ジンジャー」です。みなさんは人形や子供の形をしたジンジャーブレッドやジンジャークッキーを知っていますか。このお菓子の由来には、様々な説があります。16世紀のイギリスの国王ヘンリー8世が、ペスト対策として国民に生姜を食べるように奨励した結果、国王の形に焼いたジンジャーブレッドが食べられるようになった、またクリスマスのご馳走を買うことができない人がご馳走をかたどったクッキーを作ったことがきっかけで、人型のクッキーも作られるようになったなど...。イギリスやアメリカでは焼いたお菓子をクリスマスのオーナメントにする習慣もあるようです。 今回は全粒粉を使い、ザクザクとした食感の素朴な味と形のクッキーにしました。お子様のいるご家庭ではジンジャーマンやツリーの型で抜いて楽しんでみてください。ほんのり甘くてスパイシーなクッキーです。
[材料(約15個分)]
全粒粉... 110g
黒糖(粉末) ...40g
はちみつ ...大さじ1
卵... 1個
バター(無塩)... 60g
塩...少々
1. バターは室温でやわらかくしておく。
2. ふるった全粒粉・黒糖をボールに入れて混ぜ、1のバターとはちみつ、塩を加え練り合わせる。
3. 卵を少しずつ加えてさらに練り合わせる。すりおろした生姜を加えてよく混ぜる。
4. オーブンを170℃に温めておき、天板の上にオーブンシートを敷いて、3をスプーンですくい適当な大きさにまとめて置いていく。
5. 温めておいたオーブンで17?20分焼く。
生姜は、肉厚でハリとツヤのあるものを選びましょう
全粒粉は通常の小麦粉より食物繊維と鉄分が豊富。黒糖は通常の砂糖よりミネラルが豊富です
サラダ油をつけたスプーンの背で表面を平らにすると、きれいに仕上がります
生姜が苦手なお子さんも、このクッキーなら喜んで食べてくれそうです