"農家民宿"ご存知ですか?
ここ数年、各地の農山村にでかけることが多いのですが、泊まるのは旅館ではなくて、農家民宿を選ぶようにしています。農家民宿とは、農家が経営し、農山村の生活を体験、または農林業などが体験できる民宿のことです。農山村を訪れ、豊かな自然や美しい景観、美味しい郷土食を食べ、農村文化に触れ、人々と交流をする都市と農村交流への関心が高まっています。
その宿は、農家の自宅を改造したり、敷地内に離れを造るなどしています。一泊二食付きで6000円位のところが多いのですが、何よりその良さはアットホームな温かさと、旬で新鮮な地元の食材を使った美味しい食事にあります。しかもたいてい一日一組ですから、家族や友人らと一棟貸し切りという贅沢さです。
◆熊本県水上村 「茶乃実」
二つほどご紹介しましょう。一つは熊本県球磨郡水上村(みずかみむら)にある「茶乃実」という宿です。熊本県の東南の端に位置する水上村は、球磨川の源流に位置する九州中央山地の村です。お茶づくりがさかんで、美人の湯・湯山温泉も有名です。宿はくまがわ鉄道「湯前駅」より車で15分、九州自動車道「人吉インター」から車で50分という立地です。
「茶乃実」は、製茶業(お茶の生産から加工まで)を営む濱川裕子さんが、大学卒業後Uターンした娘さんと共に運営にあたっています。使わなくなっていた牛舎を改築し、2007年3月に開業しました。木材は自分の山の杉を使っているそうで、無垢材が使用され、暖かい雰囲気です。元牛小屋と言っても牛臭いわけではありませんので、ご安心ください。
宿の窓から茶畑が
牛小屋を改造したとは思えない宿
宿の前には茶畑が広がっています。素敵な風景です。また、お食事は自家栽培の野菜や果実、きのこ、そして山菜等、旬の新鮮な食材を使ったお料理をいただけます。料金は一人一泊二食付きで6,000円とリーズナブル。一日一組(最大10人位まで)で、お茶の繁忙期は休業です。体験プログラムには紅茶づくり(6月?8月)、いちご狩り・ジャムづくり(1月?4月)など、季節に応じて色々用意されています。
鹿ジャーキー入り生春巻きや、シシ汁が珍しい
※茶乃実 http://gazoo.com/G-Blog/mizukami004/Index.aspx
◆福島県西会津町「みちのく山菜の宿 茶屋」
去年からたびたび通っている福島県西会津町。郡山から車で一時間、電車では会津若松から磐越西線でも一時間。新潟県境の町です。ここに、山菜料理の農家民宿「みちのく山菜の宿 茶屋」があります。女将の佐藤みよ子さんは山菜採りの名人。塩漬けや水煮の缶詰にして冬まで保存し、いつでも美味しい山菜料理がいただけます。
先日は『美味サライ』の取材でおうかがいしました。(現在、書店で発売中。巻頭特集「日本の食を元気にする人たち」で、西会津レポートを書きました)山菜おこわに、こごみのごま和え、わらびの煮物など・・・実に美味しいです。
冬でも美味しい山菜料理
※みちのく山菜の宿 茶屋 0241-49-2133 西会津町奥川極入(ごくにゅう)1647
こうした宿は各地にあります。ぜひご旅行の際には観光地も良いですが、もう一泊はその近くの農山村を巡り、農業体験をして、農家に泊まってはいかがでしょう。「ガズームラ」というWEBサイトにも各地でできる農業体験や農家民宿の紹介をしていますよ。
※ガズームラ http://gazoo.com/mura/blog/MuraTop.aspx