会社概要 こころの健康 カラダの健康 食の健康 予防という検診 地域の健康 代表blog

2010年4月アーカイブ

takahashi2.jpg

  春は野菜がみずみずしく、おいしくなる季節。新キャベツ、新たまねぎ、新ごぼうなど、頭に「新」とつく野菜もいろいろ登場します。今回、クローズアップする新じゃがいももそのひとつ。通称「新じゃが」と呼ばれて親しまれていますね。

  新じゃがは、冬に植えつけたじゃがいもを通常の収穫期よりも早く収穫した、小ぶりのじゃがいものことをいいます。硬そうに見えるものの、調理をするとみずみずしくて、香りもよく、甘みもたっぷりあります。一方、水分が多いため、ホクホク感はあまりなく、コロッケやマッシュポテトにはあまり向いていません。小ぶりで火が通りやすいという特徴を生かして、丸ごと、または大きめに切って調理しましょう。

  新じゃがのいちばんの魅力は、皮が薄くて柔らかいので、皮付きのまま食べられるということです。皮には香りがあり、柔らかくてプチッとした食感がたまらなくおいしいのです。皮付きで食べられるという利点は、おいしさだけではありません。野菜の皮やその近くは栄養分が多いものですよね。じゃがいもも同様で、皮をむいてしまうとじゃがいものタンパク質の1/4が捨てられてしまうことになってしまいます。皮つきの新じゃがなら、栄養を丸ごと摂れるというわけです。

  さらに新じゃがは、通常のじゃがいもよりもビタミンCが多いといわれています。ビタミンCは、細胞の新陳代謝に効果的で、美肌にも欠かせない栄養分。じゃがいものビタミンCは、でんぷん質に含まれているため、加熱しても壊れにくいという特徴があるというのもうれしい。その他にもコレステロールを低下させる作用のある食物繊維、余分な塩分を排出して血圧を下げたり、心臓の筋肉を強くするカリウムも豊富です。

  新じゃがは、皮が薄くてキズやシワがなく、表面が滑らかなものを選びましょう。また大きさが均一なものを選べば、調理の際、火の通りが均一になるのでおすすめです。発芽を防止するため、日の当たらない冷暗所で保存します。ただし冷蔵庫に入れると、乾燥が進み味が落ちてしまうので避けましょう。またりんごと一緒に保存をすると、発芽を抑えることができます。もしも芽が出てしまったら、調理の際にしっかりと取り除くことが大切です。芽には有機物質のソラニンがあり、食中毒の原因になる場合があるためです。水分が多く傷みやすいので、1週間から10日くらいで使い切るといいですね。

  フレッシュな旬の新じゃがは、買ったらできるだけ早く食べてしまうこと。これが何よりおいしくいただくコツです。

                            レシピ「新じゃがのジェノベーゼ」

  新じゃがならではの、おいしい料理をご紹介しましょう。ジェノベーゼとは、イタリアのジェノバで生まれたソースのことで、正確には「ジェノベーゼ・ペスト」。バジルの香りが豊かで、コクのあるソースです。ジェノベーゼはミキサーやフードカッターで簡単に作ることができますが、私は断然"すり鉢派"。すり鉢でじっくりすると、味わいや香りがより引き立つような気がするのです。新じゃがに絡めたら、ふたつの香りがドッキングして、グッと食欲をそそります。

[材料約3? 4人前]
新じゃが...500g
バジル(生)...2?3本
にんにく...1片
松の実...大さじ2
パルメザンチーズ...大さじ2
オリーブオイル...大さじ3
塩...小さじ1/2

[作り方]
1.新じゃがはたわしなどでこすり洗いし(芽があれば取り除く)、1/2に切って水にさらして軽くあく抜 きする。

2.1の水気を切り、耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジで500W、4分間加熱する。

3.バジルとにんにくはみじん切り、松の実はフライパンで軽く乾煎りをする。

4.すり鉢にバジルを入れてすり、にんにくを加えてさらにする。松の実も加えてつぶしながらクリーム状になめらかになるまでする。

5.オリーブオイル大さじ2とパルメザンチーズを加えてすり混ぜる(ジェノベーゼの完成)。大きめのボウルに開けておく。

6.フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れて弱めの中火にかけ、2のじゃがいもを加えて転がしながらじっくりと炒める。表面に焼き色がつき切り口がカリッとしてきたら、塩を加えて炒め合わせる。

7.5に6の新じゃがを加えてよく絡め、器に盛り付ける。

 

100420_1.JPG

                                          (新じゃが)
皮が薄い新じゃがは、タワシでこすりすぎると皮が全部取れてしまうので要注意です

 

100420_2.JPG

                                      ( レンジ加熱後)
レンジ加熱では完全に火が通っていなくても大丈夫。この後、しっかり炒めて中まで火を通します

 

100420_3.JPG

                                       (ジェノベーゼ材料)
ジェノベーゼの材料です。パスタとあえたり、バケットに乗せて食べてもおいしい

 

100420_4.JPG

                                          (ジェノベーゼ)
材料をひとつずつ、すり鉢ですってなめらかにします。春らしいグリーンで見た目もおいしそう

 

100420_5.JPG

                                        (炒めた新じゃが)
表面に焼き色がつくまでしっかりと炒めて。火が通っているか心配なら、箸をさしてみてスッと通ればOK

 

100420_6.JPG

 

100420_7.JPG

                                               (完成)
表面はカリッ。中はしっとりジューシー。ワインのお供にピッタリでした 

oowada.jpg

  農山村巡りをしていて、車窓から左右に広がる田園地帯を見ていてあることに気がつきました。地域によっては農地の所々にススキなどが生えているのです。山の近くの農山村に行くと、その割合は増えていくようにも感じました。そして、聞いてみるとそれは"遊休農地"、あるいは"耕作放棄地"と呼ばれる生産をお休みしている田畑なのだそうです。
  食糧自給率が41%と低いのは農地が足りないから?とか、国産の物より輸入の物を食べる人が多いから?と思ったりもしていました。

  ちょっと調べてみました。2000年の農業センサスによれば、全国の耕地面積は約469 万ヘクタールで、そのうち都市部や中山間地まで広がる耕作放棄地は約38.6 万ヘクタールもあるのです。農地の1割を超えていますね。しかも5年前の調査に比べて約4万ヘクタール(12.2%)増加しているというのです。驚きました。
  農山村地域の過疎・高齢化により耕す人がいなくなってしまったことが原因です。

  以前、私が初めて"限界集落の耕作放棄地の開墾"ということに関心を持つきっかけとなったのは、2年前にNPOえがおつなげての曽根原久司さんに出会ったことでした。曽根原さんは、山梨県北杜市増富という人口600人あまりの限界集落で、活動し、耕作放棄地3.5haを開墾し、再び農地に戻す活動をしています。その取組みは以前このコラムでも紹介しました。

※第4回「サステナブルな小さな村づくり。山梨県の集落の挑戦」
http://www.469ma.jp/health/2008/12/post-9.html

100414_1.jpg
皆で力を合わせて開墾する

  その後、私は仲間達と開墾に行くようになりました。場所は増富です。何しろ集落の農地の2/3は耕作放棄地ですから、開墾する場所は沢山あります。しかし、耕作されなくなった年数によって、その様相は変わります。数年程度であれば、ススキが沢山生えているくらいですが、10年を超えると木が生えてきます。20年も立てば、まるで林のようです。こうなってはもう山林に戻すしかありません。

 

100414_2.JPG

                                     まるで林。ここがかつて農地だったとは・・・

 

  機械も入らないようなところも少なくありませんし、まずは人力(じんりき)で開墾することにこだわります。大鎌でススキを刈り、根はスコップで掘り起こします。大きなものは一人ではできません。数人で、周囲を掘り起こしていきます。また、木の場合は伐採をした後、根をこれも皆で掘って抜きます。根は15分位かかってやっと抜けます。最後はロープをかけて、皆で引っ張ります。根が抜けた瞬間は、歓声が上がります。汗をかき、グループで何かを達成した感じがわき上がるのです。

 

100414_3.JPG

体験した人の感想をご紹介すると、

「開墾の面白いこと!!!
目の前にある根っこを、皆と協力しながら黙々と作業し、抜けた時の達成感。
あんな風に力を思いっきりこめて、何かと格闘することも普段の生活ではないですよね?。
土と触れることや、思いっきり力をこめたり、身体中がヘロヘロになって脱力したりもすることで、どんどん素の"シンプルな野生"に戻っていく感じでした」 (40代女性、ライター)

「【大地力】がアップしたという言葉がしっくりくると思いました。
普段、大地に触れることが全くない僕が、陽に浴びて、土を嗅いで、風に揺られて、そんな時間を過ごして、人が、本来持っていたんだろう「大地と向き合う力」を充電することができたと思いました。」(20代男性、会社員)

  わざわざ休日に、開墾するために田舎にでかけて行くとは、変わった余暇活動をしていると思われるかもしれませんが、すっかり開墾の魅力にはまった私たちは『開墾マニュアルブック』なるものの編集プロジェクトも進めているところです。

  田植、草取り、稲刈りなど、一連の米作りや、大豆の種播きから手前味噌づくり体験する人が増えているようですが、この開墾から始めてみると、私たちの先人が山林を切り開いたこと、田畑を作り、作物を植え育てたことに思いが及びます。あなたのお住いの地域でも、開墾から体験できるところがあるかもしれません。また、私が理事を務めるNPO農商工連携サポートセンターでは、開墾付きの農業体験ツアーを開催していますので、時々WEBサイトをチェックしてみてください。

※NPO農商工連携サポートセンター
http://www.npo-noshokorenkei.jp/experience/index.html