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今月のクローズアップ食材「新じゃが」

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  春は野菜がみずみずしく、おいしくなる季節。新キャベツ、新たまねぎ、新ごぼうなど、頭に「新」とつく野菜もいろいろ登場します。今回、クローズアップする新じゃがいももそのひとつ。通称「新じゃが」と呼ばれて親しまれていますね。

  新じゃがは、冬に植えつけたじゃがいもを通常の収穫期よりも早く収穫した、小ぶりのじゃがいものことをいいます。硬そうに見えるものの、調理をするとみずみずしくて、香りもよく、甘みもたっぷりあります。一方、水分が多いため、ホクホク感はあまりなく、コロッケやマッシュポテトにはあまり向いていません。小ぶりで火が通りやすいという特徴を生かして、丸ごと、または大きめに切って調理しましょう。

  新じゃがのいちばんの魅力は、皮が薄くて柔らかいので、皮付きのまま食べられるということです。皮には香りがあり、柔らかくてプチッとした食感がたまらなくおいしいのです。皮付きで食べられるという利点は、おいしさだけではありません。野菜の皮やその近くは栄養分が多いものですよね。じゃがいもも同様で、皮をむいてしまうとじゃがいものタンパク質の1/4が捨てられてしまうことになってしまいます。皮つきの新じゃがなら、栄養を丸ごと摂れるというわけです。

  さらに新じゃがは、通常のじゃがいもよりもビタミンCが多いといわれています。ビタミンCは、細胞の新陳代謝に効果的で、美肌にも欠かせない栄養分。じゃがいものビタミンCは、でんぷん質に含まれているため、加熱しても壊れにくいという特徴があるというのもうれしい。その他にもコレステロールを低下させる作用のある食物繊維、余分な塩分を排出して血圧を下げたり、心臓の筋肉を強くするカリウムも豊富です。

  新じゃがは、皮が薄くてキズやシワがなく、表面が滑らかなものを選びましょう。また大きさが均一なものを選べば、調理の際、火の通りが均一になるのでおすすめです。発芽を防止するため、日の当たらない冷暗所で保存します。ただし冷蔵庫に入れると、乾燥が進み味が落ちてしまうので避けましょう。またりんごと一緒に保存をすると、発芽を抑えることができます。もしも芽が出てしまったら、調理の際にしっかりと取り除くことが大切です。芽には有機物質のソラニンがあり、食中毒の原因になる場合があるためです。水分が多く傷みやすいので、1週間から10日くらいで使い切るといいですね。

  フレッシュな旬の新じゃがは、買ったらできるだけ早く食べてしまうこと。これが何よりおいしくいただくコツです。

                            レシピ「新じゃがのジェノベーゼ」

  新じゃがならではの、おいしい料理をご紹介しましょう。ジェノベーゼとは、イタリアのジェノバで生まれたソースのことで、正確には「ジェノベーゼ・ペスト」。バジルの香りが豊かで、コクのあるソースです。ジェノベーゼはミキサーやフードカッターで簡単に作ることができますが、私は断然"すり鉢派"。すり鉢でじっくりすると、味わいや香りがより引き立つような気がするのです。新じゃがに絡めたら、ふたつの香りがドッキングして、グッと食欲をそそります。

[材料約3? 4人前]
新じゃが...500g
バジル(生)...2?3本
にんにく...1片
松の実...大さじ2
パルメザンチーズ...大さじ2
オリーブオイル...大さじ3
塩...小さじ1/2

[作り方]
1.新じゃがはたわしなどでこすり洗いし(芽があれば取り除く)、1/2に切って水にさらして軽くあく抜 きする。

2.1の水気を切り、耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジで500W、4分間加熱する。

3.バジルとにんにくはみじん切り、松の実はフライパンで軽く乾煎りをする。

4.すり鉢にバジルを入れてすり、にんにくを加えてさらにする。松の実も加えてつぶしながらクリーム状になめらかになるまでする。

5.オリーブオイル大さじ2とパルメザンチーズを加えてすり混ぜる(ジェノベーゼの完成)。大きめのボウルに開けておく。

6.フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れて弱めの中火にかけ、2のじゃがいもを加えて転がしながらじっくりと炒める。表面に焼き色がつき切り口がカリッとしてきたら、塩を加えて炒め合わせる。

7.5に6の新じゃがを加えてよく絡め、器に盛り付ける。

 

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                                          (新じゃが)
皮が薄い新じゃがは、タワシでこすりすぎると皮が全部取れてしまうので要注意です

 

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                                      ( レンジ加熱後)
レンジ加熱では完全に火が通っていなくても大丈夫。この後、しっかり炒めて中まで火を通します

 

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                                       (ジェノベーゼ材料)
ジェノベーゼの材料です。パスタとあえたり、バケットに乗せて食べてもおいしい

 

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                                          (ジェノベーゼ)
材料をひとつずつ、すり鉢ですってなめらかにします。春らしいグリーンで見た目もおいしそう

 

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                                        (炒めた新じゃが)
表面に焼き色がつくまでしっかりと炒めて。火が通っているか心配なら、箸をさしてみてスッと通ればOK

 

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                                               (完成)
表面はカリッ。中はしっとりジューシー。ワインのお供にピッタリでした