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2010年5月アーカイブ

今月のクローズアップ食材「桜えび」

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  日本には、ほんの短い期間しか食すことのできない貴重な食べ物がいろいろありますね。代表的なひとつが桜えびでしょう。海中で生息しているときは透明ですが、水揚げされると美しいピンク色になる小さなえびは、「海の宝石」とも呼ばれています。4月中旬、桜の花の季節が終わる頃、桜えびの季節がやってきます。収穫の季節はわずか1ヶ月ちょっと。秋にも収穫時期がありますが、やはり桜えびといったら、その名のとおり春のイメージ。干し桜えびなら季節を問わず味わうことができますが、生の桜えびが食べられる時期はとても短いのです。

  この5月3日には、静岡県の由比漁港で「由比桜えびまつり」が行われ、桜えびのほか、生シラスなど獲れたての魚介類が勢ぞろいしたそうです。また水揚げされたばかりの桜えびが天日で干される光景は、富士山を背景に、一面桜色に埋め尽くされて一見の価値ありだとか。いつかは見に行って、そして存分に味わってみたいものですね。

  この桜えび、相模灘や東京湾にも生息しているそうですが、桜えび漁業が行われているのは、日本全国でも駿河湾だけなのだとか。漁の期間や漁船数、漁船のサイズ、網の長さ、操業方法なども厳しく制限されており、漁獲量も決められています。さらに今年は、春になっても寒さが続いたため海水温が上がらず、天候の不順も重なって、昨年の桜えび漁解禁日3月31日になっても出漁できず、その状態は17日まで続きました。初漁が18日も遅れてしまったのは、過去に例がないそうです。19日の朝に初せりが行われ、1箱(15kg)の値段の平均は、昨年より2万円も高値で取引されました。現在は徐々に漁獲量も増え、価格も安定してきているようですね。

  さて、生の桜えびは、わさびや生姜醤油をつけて食べるのがいちばんおいしい食べ方でしょう。素揚げやかきあげにしても、生ならではの食感と香りが楽しめます。また産地で軽く塩ゆでした「釜揚げ桜えび」というものもあります。こちらも生に近い味わいで、身がプリッとしていて美味。干し桜えびは生にはない豊かな香りがあり、お好み焼きやいため物などに入れればおいしさがアップ。調理前に、干し桜えびだけをフライパンで軽く炒れば、香りが増してよりおいしく食べられますよ。

  桜えびは殻も頭も丸ごと食べられ、特に骨粗しょう症予防に効果的なカルシウムが豊富です。成長期のお子さんにもぜひどうぞ。タンパク質、マグネシウム、鉄、りん、亜鉛などの栄養素が多く、最近の研究では、血中のコレステロールや動脈硬化予防に効果のあるEPA(エイコサペンタエン酸)なども含まれていることがわかりました。
  さぁ、生なら今がイチバンです! この時期を逃さず、味わってくださいね。

                    レシピ「桜えびと新キャベツのパスタ」

  5月のコラムにはこのパスタを作るんだと、かなり前から楽しみにしていました。ところがいよいよ桜えび漁解禁の頃になっても、なかなかお魚屋さんに桜えびが登場しない。どうしてかしら...と調べてみたら、初漁が遅れていて、しかも高値になってるとのこと...。そのうえ新キャベツも、収穫が遅れていて記録的な高値! これは断念しなくてはならないかと思っていたところ、ようやく桜えびを発見しました。そんなわけで、今回はちょっと豪華なパスタになりました! でもきっと今頃は価格も安定していると思いますので、ぜひ作ってみてください。新キャベツならではの、鮮やかなグリーンと桜えびのピンク色がとてもかわいい、春パスタです。

[材料2人前]
スパゲティ(1.6mmまたは標準的な太さ)...180g
春キャベツ...200g
桜えび...80g
鷹の爪...1本
にんにく...1片
アンチョビ...2切
オリーブオイル...大さじ1.5
塩(パスタをゆでる時)...20g
塩(味付け用)...少々

[作り方]
1. にんにくはみじん切りに、鷹の爪は2等分して種を取る。キャベツは一口大に手でちぎる。大きめの 鍋に2リットルの水と塩20gを入れて沸かす。

2. 湯が沸いたら、鍋にスパゲティを入れ、袋に表示された時間の2分前までゆでる。

3. 大きめのフライパンにオリーブオイル、1のにんにくと鷹の爪を入れて弱火にかける。にんにくが色づいたら、鷹の爪を取り出す。

4. 3にアンチョビを入れ、へらなどでつぶしながら炒める。

5. 2の鍋(表示ゆで時間2分前)にちぎっておいたキャベツを入れて、さらにゆでる。

6. 4のフライパンにパスタのゆで汁大さじ2杯入れる。

7. 表示ゆで時間1分前に、スパゲティとキャベツをざるに上げ、フライパンに加えて、手早く絡める。味見をして、塩で調味する。

8. 桜えびを加えて火を止め、からめる。

 

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                                             (桜えび)
生の桜えびは鮮度が命。購入後、できれば当日中に味わっていただきたいですね

 

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                                           (新キャベツ)
キャベツの量はこんなにたっぷり。春キャベツは芯もおいしいので、捨てないでください

 

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                                              (パスタ鍋)
パスタをあげる1分前にキャベツを鍋に投入。一緒にゆでられるのでカンタン!

 

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                                                (完成)
桜えびは少し火が入って、ふんわり。シンプルなパスタなのに深い味わいです

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   農山村巡りを始めて3年目になりました。それに伴って、野菜づくり、米づくり、味噌づくりに参加し、今年は酒米?酒づくりや、果樹などへ領域を広げています。平日は近くの貸し菜園で野菜をつくり、週末は限界集落の耕作放棄地での開墾や、都内でのグリーン・イベントに参加している。そんな日々です。

   果樹といえば、4月に南アルプス市で「桃の花びらジャム」づくりを体験してきました。南アルプス市は山梨県の西部にあって、東京から120km圏に位置しています。平成14年に4町2村が合併し、日本初のカタカナ名の市として誕生しました。南アルプス登山の拠点として数多くの登山客が訪れます。小笠原流礼法の祖である小笠原氏発祥の地として、また、武田信玄の生母の出身地でもあり、信玄堤遺跡群など武田氏に関する史跡も多く残されています。

   特産品の果樹は江戸時代から「甲州八珍果」と言われ、色々な種類の果樹産地として栄えてきました。4月、ピンクの桃の花に始まり、初夏にはさくらんぼ摘みが人気で、スモモの生産量も日本一です。桃・ブドウ・柿・キウイなど一年を通じ色々な果物が生産されています。 とはいえ、永年作物である果樹は、技術の習得に時間がかかり、高齢化による遊休農地の増加など、果樹産地の継承が難しい状況になりつつあります。 

   「4月は桃の花がピンクの絨毯みたいですよ」とお聞きしていたので、今年の花見は南アルプス市で!と考えていました。そして、4月10日に、食育イベント「桃の花びらジャムづくり」があると聞いて、でかけたのです。桃やスモモは枝に数個の花を残して蕾を落とし、ふくらんできた実の中から最も大きなものを残すという作り方をするのだそうです。ということは多くの花は不要となるわけです。その花の花びらを活用するのが、この「桃の花びらジャム」なのです。ヨーグルトやシフォンケーキにかけるも良し、お湯でとけば桃の花びらティーにもなります。

 

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                                                         桃の花

 

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                              桃の花びらを摘む。逆さにした傘に花びらを落とす

   食育イベントには親子連れを中心に25人が参加。毎月季節の農作業や農産物に合せた食育プログラムが実施されています。運営は、果樹農家さんらが中心のNPO法人「南アルプス・ファームフィールドトリップ」が行っています。

※やまなし食育探検隊 http://syokuiku.npo-farm.net/

   5月下旬?サクランボ、6月スモモ、7月桃、ブルーベリーと果樹の季節到来です!現地で摘んで食べる"完熟フルーツ"。味が濃くて甘くて最高。また、完熟フルーツで作るジャムとか、ワイン漬けとか楽しみが広がります。

 

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                                桃の花びらジャム(作った人の写真がラベルに)