食べものでオーガニック(農薬や化学肥料を使わない)なものを好む人は増えていますが、綿にも農薬や化学肥料を使わないものがあります。オーガニックコットンと呼ばれているものです。
一般のコットンのほとんどは農薬を使用しています。しかも、かなりの量の農薬を使用しているそうです。地球上の耕地面積の 約2.5%を占めるコットン畑に、全世界で使われている殺虫剤の約16%、 農薬全体の約10%が使用されているというデータもあります。また、途上国、特にインドはコットンの生産大国ですが、児童労働が行われている現状があります。子どもたちは学校にも行けず、健康被害も受けているのです。
私たちが日常的に着たり使ったりしている綿製品の原料の生産段階で、働く人の健康や環境の汚染が起きていると知ったら、あなたはどう思いますか? 何とかそういうことは止めさせたい、あるいはそうではないものを使おうと思う人は少なくないはずです。
※世界の子供を児童労働から守るNGO ACE(エース)
http://acejapan.org/cotton/childlabour.html
イー・ウーマンというWEBサイトで毎週行われている「働く人の円卓会議」というバーチャルな会議があります。そこで「オーガニックコットン、使っていますか?」をテーマにしみました。使用状況をおうかがいしたところ、38%の方が「使っている」とお答えでした。使っている理由としては、「身体にやさしく安心できるから」、「オーガニックやフェアトレードに共感して」、「肌触りが良く、使っていて幸せ」というようなことが挙げられました。
オーガニックコットンの畑では枯葉剤を使わない
綿は種を包みこむ布団
私が愛用しているオーガニックコットン製品には、タオルケットやタオルから、室内着、Tシャツ、スカート、アウターなどのウエアなどがあります。やはり風合いが良いですし、丈夫で長く愛用できるように思います。また、赤ちゃんの出産祝いや病気のお見舞いなどにもよく使っていますが、喜ばれます。
ちなみに、原料である綿はほとんどが輸入です。アメリカのテキサス州など先進国をはじめ。インドやパキスタンなど途上国で栽培されています。日本でもかつては植えられていましたが海外に移ってしまいました。移ったのは原料生産だけではありません。繊維産業では、紡績や染色、縫製も多くが海外に流出してしまいました。そんな中、原綿を海外から輸入した後の工程は全て国内で行うことにこだわっているのが「アバンティ」という会社です。社長の渡邊智恵子さんは「繊維にかかわる国内の職人さんや、高い技術力をぜひ守りたい」と言います。そして、数年前からは国内で綿の栽培を始めています。もちろん、農薬や化学肥料は使いません。
※アバンティの哲学
http://www.avantijapan.co.jp/philosophy/philosophy.html
赤ちゃんや子供にも安心
1,000円以下のジーンズや海外からファストファッションのブランドが上陸して話題になったりしていますね。でも、安さにも訳があるのではないでしょうか。例えばお米は1kg500円位のものを食べていますよね。綿も1kg500円位生産にかかります。ジーンズは400g程度使用するそうなので、原料だけで200円になります。それに紡績、染色、デザイン、縫製、そしてメーカーや販売店の利益を乗せると・・・ どうすれば1,000円以下のものができるのでしょうか・・・? 関わっている人がみんな幸せであれば、良いのですが。