我が家では毎朝小さじ半分くらいのすり胡麻をヨーグルトに入れて食べています。人間だけでなく愛犬も! その理由は全員がアレルギー体質(犬も)で 、胡麻が効くと聞いたから。7年の習慣で、いまのところ大きな改善はなかなかみられませんが、少しずつよくなっていくことを願って続けています。胡麻がなぜアレルギーに効くのか、この機会に調べてみると「セサミン」という成分であることがわかりました。しかもこのセサミン、他にもたくさんの効能があったのです!
ゴマに多く含まれる成分にリグナン類という抗酸化物質があります。胡麻以外の植物にも含まれますが、胡麻は極めて多く、このゴマリグナンの中で最も多い成分が、セサミン。セサミンの強い抗酸化作用はそのものにはなく、動物の体内に入ると抗酸化作用を示すようになるそうです。
セサミンは血液中のコレステロールの上昇を抑える作用があります。食事から摂取されたコレステロールは通常小腸で吸収されますが、セサミンはこれを阻害し、コレステロールが便と一緒に排泄されるように手助けをします。しかもコレステロール以外の体に必要な脂肪の吸収は妨げないというのは驚きです。またセサミンは、実験で血圧を下げる作用があることが実証されていて、血圧が気になる人にもおすすめです。さらに肝臓の機能も高めてくれるので、お酒を好む人も積極的に摂った方がいいですね。そして最後はセサミンのアレルギーを抑制する効果。アラキドン酸という脂肪酸は体の機能を保つためにかかせないものですが、体内にアラキドン酸が増え過ぎると、動脈硬化、高血圧、慢性の炎症、アレルギー性湿疹、アトピー性皮膚炎、自己免疫疾患などを起こしやすくなります。セサミンにはこのアラキドン酸の生成を阻害する働きがあるのです。
ところで胡麻には白と黒がありますが、どちらのほうが栄養があるのでしょう。栄養分析値では個体差はあるものの、どちらも数値はほとんど変わりません。ただし白に比べて黒は油分が少なく、胡麻油の原料は一般に白胡麻です。また、黒胡麻の表皮にはタンニン系(ポリフェノールの一種)と考えられる成分があり、白胡麻よりも抗酸化作用に優れている可能性があるともいわれています。
胡麻の栄養をしっかりと吸収したいなら、すり胡麻か切り胡麻にして食べましょう。胡麻は粒が小さいので噛み砕きにくく、消化されないまま排泄されてしまうことが多いからです。またすった胡麻のほうがうまみも感じやすくなります。ついでといってはなんですが、相手にへつらってお世辞を言う「ごますり」の語源はご存知ですか。胡麻をすり鉢ですると、はじめはサラサラしていた胡麻がつぶれて、ベタベタと鉢に張り付いていきます。これが人間社会のあちらこちらについて、自分の利益のために、相手にへつらい機嫌をとることをいうようになったそうです。なるほど!
レシピ「黒胡麻と黒糖の真っ黒ヌガー」
クッキーやだんご、プリンなど、スイーツでも大活躍の胡麻。今回は胡麻がたっぷり摂れるヌガーを作ってみましょう。黒糖ベースなのでコクと食べ応えあり。胡麻は前述の通り、すったほうが栄養を吸収できるのですって使いましょう。胡麻の粒が半分くらい残っている程度のすり加減にすれば、プチッとした食感も加わっておいしいですよ。
[材料2人前]
黒胡麻...80g
黒糖(粉末)...100g
はちみつ...大さじ2
牛乳...大さじ2
塩少々
[作り方]
1. 黒胡麻はフライパンに入れて弱火で香ばしく炒ってから、すり鉢でする。
2. 小鍋に黒糖、はちみつ、牛乳、塩を入れ弱火にかけ、底からすくうように混ぜながら溶かす。気泡が出てきたら1の黒胡麻を入れて混ぜ、火を止める。
3. クッキングシートに2を広げて、180℃のオーブンで8分焼く。
4. 粗熱が取れたら完全に固まる前に4?角くらいに切り分ける。
5. 冷蔵庫で冷やし固める。
(黒胡麻)
できれば有機栽培の、安心な胡麻を使いたいですね
(胡麻をする)
炒り胡麻であっても、必ず炒ってからすりましょう。香ばしさが違います
(黒糖他を溶かす)
弱火で混ぜながらこがさないように注意
(天板に広げる)
焼けば黒糖と胡麻がよくなじみます
(完成)
完全に冷やさなくても食べられますが、手にくっついてしまうのが難。冷やしても柔らかですよ