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第32回根のある暮らし 映画『幸せの経済学』 地域(ローカル)経済について考える

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タイトルを一見して、抽象的で難しい話のように思われるかもしれませんが、あまりにも私たちは地域について無関心で、あるいは経済が成長するのは当たり前と思って暮らしてきたのではないでしょうか?

今年私が関心を寄せているテーマは"ローカリゼーション"や"コミュニティ"です。そして、国内のかかわりのある地域でそれを実践しようと色々企画を進めているところです。

 

 5月21日にドキュメンタリー映画『幸せの経済学』が封切られました。「国際生物多様性デ―」の22日には、なんと全国113か所で一斉に自主上映会が行われ、各会場とも大盛況でした。

 

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ラダックのまち


 この映画は『懐かしい未来』という本を書かれたへレナ・ノーバーク=ホッジさんが原作を書かれ、監督を務めています。映画の舞台はインド北部の端にある標高3500mを超える「ラダック」という人口5万人ほどの農村地域です。農業を中心に自給自足の互助経済を自然に寄り添う、心豊かな暮らしがありました。ところが、1974年に外国人の立ち入りが解放され、先進国の消費文化やグローバル企業の安い商品が流れ込み、地域は急激に変化していったのです。ラダックがこの40年間でグローバリゼーションの波によってどのように変貌し地域コミュニティが崩壊していったか。そして今、どのようにそれを回復しようとしているのか。ローカリゼーションこそが、これからの持続可能で心と心のつながりのある社会を再生する鍵だと主張します。

 

110531_no2.jpg映画ポスター


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ヘレナ・ノーバーク=ホッジさん

 


※『幸せの経済学』http://www.shiawaseno.net/  

 

 私はこの映画を見てラダックに行ってみたいと思いました。と同時に、この3年間、歩いてきた日本各地の農山村を思い出しました。そこには、地域固有の農林漁業や自然、文化、互助のしくみが残っています。人々は農林漁業やそれを活かした仕事を生業(なりわい)とし、自然に根ざした暮らしをしています。

近年、都市部に住む若い世代でも、こうした暮らしかたを志向するする人が増えています。都会の会社員の様な仕事中心のライフスタイルではなく、また、単なる田舎暮らしでもない、生業(仕事)、暮らし、地域での務め(互助活動)のバランスを取る生き方です。人と人、人と自然、先人とのつながりがそこにはあります。そして都市生活や会社員生活で身に付けたビジネススキルを活かし、農山漁村の地域資源を活かして、地域に仕事や経済が流れ込むしくみをつくり出し、持続可能で新しい豊かさと幸せを創造する暮らし方です。

 

 『幸せの経済学』、東京では渋谷のアップリンクで6月10日まで、また、自主上映会を開催することも可能です。ぜひお友達やお仲間と『幸せの経済学』ご覧になり、自分が住む地域のことや、豊かさ、幸せについて語り合ってみませんか。そして、農産漁村との交流を始めてみませんか。