まだまだ蒸し暑い日が続きますね。こういうときは、やっぱり冷奴。どんな豆腐を食べていますか?私は、埼玉県ときがわ町にある「とうふ工房わたなべ」の「霜里豆腐」や豆乳が大好きです。
地元産の大豆にこだわる
「この「霜里豆腐」は、隣の小川町で、昔からつくられていた「青山在来」という大豆を使っているんです。40年間有機農業をやってきた金子美(よし)登(のり)さんらが集落の皆さんと栽培しているもので、糖度が高いから、こくのある豆腐ができるんですよ。今ではうちの人気商品の一つです」と、「とうふ工房わたなべ」の渡辺一美(かずみ)社長。
お父さんの代から豆腐をつくり始め、当初は小さな豆腐屋さんでしたが、今では3か所の駐車場を持つ大きなお店になりました。近くに駅があるわけでも、大都市にあるわけでもないのに、平日でも400人、週末ともなれば800人、年間20万人が周辺地域から車で来店します。単独店舗としては日本一の売上を誇るほどです。
全国有数の売上を誇る豆腐店
一体、この豆腐店、どうしてこんなに人気が出たのでしょうか?
その秘密は、地元産の大豆や、国産の菜種油を使った美味しい豆腐だからです。
渡辺さんが国産大豆を使うようになったのは90年代後半の頃、当時はアメリカから輸入した大豆を使っていましたが、遺伝子組み換え大豆が問題になり、お客さんから「国産大豆でお豆腐つくってほしい」と言われ、それまでの価格を追求し、安いアメリカ産大豆を原料にした、スーパーに卸す豆腐づくりから、国産の大豆を使った、お店で直接お客さんに販売するスタイルに切り替えたのです。価格は倍以上になりましたが、当時国産大豆を使った豆腐は珍しく、人気を呼びました。
敷地内の井戸からくみ上げた地下水を使用
素性のわかる豆腐
そして、地元の勉強会で出会った金子さんの、農薬も化学肥料も使わない農法に感銘を受け、国産からさらに地元産の、生産者である農家の顔が見える大豆を使うようになったのです。
「埼玉産の大豆というのは、特に特産品でもないけれど、やっぱり地元の農業を大切にしたいから、地元産の大豆を使うことにしたんです」。今では小川町、鳩山町産など年間60トン以上、周辺で栽培されている大豆を使っています。
渡辺社長の信条は、「大豆を作る人、豆腐を作る人、配達する人、買う人、食べる人が顔見知りになり、この人のために、と思う気持ちを大切にすること」という"素性のわかる豆腐"は、味と鮮度、豊富な品揃えも相まって大人気なのです。
とうふ工房わたなべ
〒355-0354 埼玉県比企郡ときがわ町大字番匠372
Tel
0493-65-0070 / Fax 0493-65-0090