今年は少し"農力"、"自給力"を上げようと思い、池袋のバー「たまには月でも眺めましょう」の店主、高坂勝(こうさか・まさる)さんご夫妻やお友達の皆さんと一緒にお米づくりをすることにしました。昨年11月に出版された高坂さんの『減速する生き方―ダウンシフターズ―』は話題になりました。その高坂さんは、3年前から千葉県の田んぼでお米づくりをしています。不起耕、冬期湛水、もちろん農薬や化学肥料は使いません。
田んぼの場所は千葉県匝瑳(そうさ)市。東関東自動車道の成田ICを降りて30分ほどのところ、自宅からは車で2時間ほどかかります。
◆田植え(5月29日)小雨ときどき曇り
しろかきや、苗づくりは高坂さんがしてくださいましたので、田植えから始めました。田んぼは全体で一反(いったん:300坪)位で、うちのエリアは一畝(いっせ:30坪)です。
農水省の資料によれば、日本のお米の消費量は一人当たり年間で60kg程度だそうですので、わが家では1/3を自分でつくり、1/3を埼玉県小川町、残り1/3を宮城県大崎市や兵庫県豊岡市の農家から購入しようという計画です。お店からは買いません。農法や実際の田んぼの様子、農家や地域の取り組みに共感しているところから直接入手するのです。
さて、田植えですが長靴をはいて田植えをしようとしたところ、落とし穴のようなところがあり、早々にはまってしまい、長靴が水没。長靴をあきらめて、素足で植えること2時間。コシヒカリの苗を2本ずつ植えました。苗の数が少ない方が強いしっかりした稲が育つと聞いていたからです。放射能も計測しましたが、低い数値でまずは安心。
◆草取り 2回目(7月24日)晴れ
一回目の草取りは6月19日、田植えから3週間。苗も雑草もかわいい大きさでしたが、2回目の草取りは1カ月以上も空いてしまい、大変なことに!まるでコナギ田のように、稲と競うように元気に育っていました。この日は家族が一緒に行けなかったので、一人で黙々4時間の草取り。スクワットの様な姿勢で連続4時間。もう帰りは歩くのもやっとで、この後一週間、強烈な筋肉痛で歩くのも困難でした。
田んぼへは毎回何人かで行きました。木陰で食べるお弁当、農作業の合間のビールは格別です。
田んぼの帰りは近くの日帰り温泉「かりんの湯」に寄って疲れを取ります。露天風呂やスチームサウナもあります。何といっても入浴後のスイカの甘くて冷たくて美味しかったこと。
稲と競って雑草が育っている
◆稲刈り 9月18日(日)
いよいよ稲刈りです。田植えから4か月あまり。手で刈ってはさ掛けにします。助っ人も含め10数人で刈りました。あいにく、わが家のエリアは水が抜けず、長靴を履いての稲刈りです。泥に足を取られ、なかなかはかどりませんでしたが、なんとか午前中に刈り終え、午後はくくってはさ掛けをして終了!!
達成感ひとしお
ところが、その3日後、例の台風15号が襲来。暴風雨の中、自宅で案じるのははさ掛けした稲のことばかり。落ちてやしないだろうか。水をかぶってはいないだろうか。とオロオロして。
翌日、高坂さんからのメールでやっぱりはさ掛けは全て倒れたと連絡があり、今週末、再び復旧に匝瑳に行ったのでした。
あと1週間干して脱穀、モミすりで玄米になります。農家の気持ちが少しわかった半年でした。
それにしても「フードアクションニッポン」など国を挙げてキャンペーンをしているにもかかわらず、日本の食料自給率は1%下がって39%になってしまいましたね。が、まずは自分から。"自給力向上"。そして食料の備蓄を実践しませんか。目下、わが家では1年分の米、半年分位のジャガイモ、ニンニク、水を備蓄しています。
田んぼには生きものが沢山