先月のほうれん草に引き続き、冬が旬の葉野菜、小松菜の登場です。小松菜は冬場に収穫されるため、"冬菜"とも呼ばれます。寒さに強く、霜を受けるとより一層おいしくなる元気野菜です!
我が家の食卓で、いちばん出番の多い葉野菜がこの小松菜。他の葉野菜と比べて味にクセがないので、和洋中さまざまな料理に使えるのでとても重宝なのです。シャキシャキとした食感がよく、下茹でせずに手早く調理できるというのも出番の多い理由ですね。
見た目はほうれん草に似ていて、含まれる栄養素もビタミン類、カルシウム、カリウム、鉄などほうれん草とほぼ同様ですが、カルシウムの量は、なんとほうれん草の5倍も。このカルシウムは骨や歯の発育に役立ち、骨粗しょう症の予防には欠かせません。また成長期のお子さんにも積極的に食べてもらいたいですね。さらにカルシウムは神経の伝達をスムーズにして気持ちを落ち着かせてくれるので、ストレスが溜まってイライラしているときにもオススメ。その他、鉄は貧血予防に、ビタミンA(β-カロチン)は風邪予防に効くので、これからの季節にはピッタリなのです。
小松菜の名前の由来は知っている人もいると思いますが、日本では東京都江戸川区"小松"川が原産地だからです。八代将軍徳川吉宗が、小松川の近くに鷹狩りに来て、神社で昼食をとった際に出された葉野菜の汁物のおいしさに感激して、地名から小松菜と名付けたといわれています。今でも生産地は関東地方が中心で全国の8割を生産、そして相変わらず東京都が日本で一番の産地です。大都市の東京で育っているなんて、小松菜はなんだか人間同様に、どんな環境でも負けずにがんばっているイメージがします。そんなことを思いながら、おいしくいただきましょう。
食べ方はさっと茹でて和え物やおひたしが手軽です。茹でたら塩とゴマ油、一味唐辛子でよくあえて、ナムルにするのが私は好きです。また油炒めのように油を使って調理すると、ビタミンAの吸収率がよくなります。和風だけでなく、ベーコンや卵などと一緒に洋風炒めもおいしいですよ。アクが少ないため離乳食にも向いています。下茹でしたらみじん切りにして、すり鉢やフードプロセッサーですりつぶして、料理に加えるといいですね。ビタミンCは壊れやすいため、加熱はできるだけ短時間にしましょう。小松菜は傷みやすく、葉が黄色くなったら鮮度の落ちた証拠。ぜひその前に食べてくださいね。
レシピ「小松菜とこんにゃくの油炒め」
小松菜のビタミンAを効率的に吸収する炒めものです。これは、今は亡き私の義母の得意料理でした。宮城県の主人の実家に遊びに行ったときに作ってもらい、初めて食べたときはそのおいしさに感動。これぞ"和食の油炒め"というシンプルな料理で、動物性の脂肪が一切入っていないのに、しっかりとコクがありご飯のおかずにピッタリ。突きこんにゃくがなければシラタキでもOKです。さつま揚げの代わりにちくわや鶏ささみ肉、ツナの缶詰もおいしそうですね。
[材料約3-4人分]
小松菜...1把
突きこんにゃく...1パック(200g)
さつま揚げ...2枚
だし汁...大さじ2
しょうゆ...大さじ1と1/2
酒...小さじ2
キビ砂糖...小さじ2
ゴマ油...小さじ2
[作り方]
1.小松菜はサッと洗い、4センチ幅くらいに切ってから水の入ったボウルに入れて泥をしっかり取り、手ですくい、ざるに上げて水気を取る。
2.さつま揚げは1センチくらいの短冊切り、突きこんにゃくは長い場合は食べやすい長さに切る。
3.フライパンを中火で熱し、さつま揚げを並べ(油は不用)、全面に焼き色がつくまでころがしながら炒める。突きこんにゃくを加え、水分がなくなるまでしっかり炒める。
4.小松菜を加えて炒め合わせ、だし汁を加えて水分を具材に入れるようにさらに炒め合わせる。
5.小松菜がしんなりしてきたら、酒、キビ砂糖、しょうゆを加えて炒め合わせ、最後にゴマ油を加えて強火にし、一気に炒め、皿や鉢に盛り付ける。
葉がピンとして緑の濃い小松菜を選びましょう
材料はこれだけ。準備しやすい食材ばかりです
焼き色がつくまでさつま揚げを炒めれば、全体の味の"コク"になります
小松菜一把分を加えるとフライパンの中は小松菜でいっぱいになっちゃいますが...
中火で炒め合わせるとあっという間にカサが減りますね