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2012年1月アーカイブ

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「蕪栗沼・ふゆみずたんぼプロジェクト」は、震災復興と地域活性化のために宮城県大崎市が取り組むプロジェクトです。大崎市には日本最大のマガン越冬地である「蕪栗沼」があります。蕪栗沼と周辺水田は、200511月にラムサール条約湿地にも登録されました。冬になるとシベリアから渡ってくるマガンや白鳥などの渡り鳥が10万羽を超え、昼は沼周辺の田んぼで落ち穂をついばんだり、水を張った水田で過ごしています。日没前には四方八方から帰ってきて「ねぐらいり」をします。朝、日の出頃にいっせいに田んぼへと飛び立つ姿は、地響きのような音をともない壮観です。3月ともなると、ふたたびシベリアへの4,000kmの帰路につきます。


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朝一斉に数万羽のマガンが飛立つ


 以前は、蕪栗沼の水面が狭く、年々増える渡り鳥が越冬できる環境を保つことや、沼の水質悪化を防止すること、そして渡り鳥が稲の穂を食べてしまう食害が、大きな課題となっていました。そこで、2003年、地域の10軒の農家が、これらの問題を解決するために、渡り鳥との積極的な共生を目指す取組みを始めました。それが、冬期間水田に水を張る「ふゆみずたんぼ」です。冬は田んぼを渡り鳥の休息地として、春から秋にかけては有機栽培でお米づくりを行います。


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日中田んぼで過ごす白鳥


 「ふゆみずたんぼ」により冬場に稲わらの分解が進み、今では微生物や生きものがすっかり豊富な土壌になりました。生きものとの共生をめざす農家の思いが育んだ「ふゆみずたんぼ米」の誕生です。ちなみに大崎市はササニシキやひとめぼれ発祥の地でもあります。一粒一粒に大自然の命が宿る、自然にも身体にもやさしいお米ができるようになりました。


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黄金の稲穂。上空にマガンの群れ


 地域の農家、NPO、市民、事業者、自治体が協働し、取組んできた豊かなコミュニティづくり。生地域の人々の営み、自然の美しさ、命の大切さを沢山の方に知っていただきたい、ふゆみずたんぼを広めたいという思いで、「蕪栗沼・ふゆみずたんぼプロジェクト」(2011年度、総務省「緑の分権改革調査事業」)が始まりました。


 プロジェクトでは絵本や映像の制作をはじめ、仙台で開かれているマルシェやツアーを開催してふゆみずたんぼや渡り鳥、そこでできたお米のプロモーション活動に着手しているところです。また、蕪栗沼の陸地化を防ぐために沼に生えている葦(よし)をペレットに加工して、熱源に使おうという試みも行っています。さらに、「ふゆみずたんぼ」が津波被害を受けた水田の塩害抑制に効果があることから、南三陸や石巻などの周辺自治体の被災水田のふゆみずたんぼによる復興にも取り組んでいます。


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上空から見た蕪栗沼


 ふゆみずたんぼによる有機農業、10万羽を超える渡り鳥との共生、美しい自然など、命を育み、大切にする温かい気持ちが地域の人たちから伝わってきます。ここでも、地域の市民、農家、NPO、事業者、自治体が協働し、豊かなコミュニティが育まれています。

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大根の古くからの呼び名は「すずしろ(清白)」。そう、春の七草のひとつです。大根には消化酵素のジアスターゼが豊富に含まれており、消化を促進して胃酸をコントロールし、胃もたれや胸焼けを解消します。その効果は胃腸薬にも配合されるほど! 年末年始の暴飲暴食で、疲れた胃腸を復活させるのにピッタリの野菜です。胃腸が弱ってくると、体力や免疫力が低下して、風邪もひきやすくなるので、ぜひこの時期に大根を食べて体調を管理しましょう。

大根の成分は胃腸の働きを助ける他、辛みにはアリルイソチオシアネートというからし油の成分があり、痰を切る効果もあります。また大根に含まれるビタミンCは、肝臓の働きを助ける作用があるため、飲み過ぎにも有効です。

大根の旬は秋冬で、全体の7割を占めます。日本の大根生産量は世界一とされていますが、作付面積・収穫量とも減少してきているのが現実です。また現在の主流品種は「青首大根」で、作付面積の98%を占めるそうです。辛みが少なく甘みが強いこと、地上に伸びる性質が強く収穫作業が楽なことなどから昭和50年代に急速に普及しました。水分が多くて柔らかく、煮崩れしにくいので調理がしやすく、おろしても辛味が少ないのが特徴です。

その他の品種には、世界最大の大根として有名な「桜島大根」、カブのような形の京野菜「聖護院大根」、汁気が少なくとても辛いミニサイズの「辛味大根」、ゴボウのように細い「守口大根」、緑の部分が少ない「白首大根」などがあります。また神奈川産の「三浦大根」は大正時代に地大根と練馬種を交配改良したもので、かつてはおでんや正月のなますは三浦大根に限る、というほどだったのですが、今ではほとんど見られなくなりました。そのいちばんの理由は大き過ぎること。株間を多く取らなければいけないため、作付けが少なくなってしまううえ、収穫の時に力がいるため作業が大変です。さらに店頭でも場所を取り過ぎてしまうため、敬遠されるようになってしまいました。これだけたくさんの品種がありながら、青首大根ばかりになってしまったのは少し残念でなりません。料理に合わせて様々な地大根を選べるようになることを願っているのは私だけではないでしょう。

さて、大根は葉に近い部分ほど辛味が弱く、下にいくほど辛味が強くなります。また大根おろしにする際、甘くしたいときは葉に近い方を使用し、おろし金に対して垂直に立て、優しく円を描く様におろすのがコツ。一方ピリッとした辛さを味わいたいときは先端部分を使用して、おろし金に対して直線的に、力強くおろすのがコツ。細胞がより細かく破壊され、辛み成分が活性化するからです。

最後に「大根役者」の語源について。様々な説があるものの、大根は食材として利用範囲が広く、どのような調理で食べても消化を促進し、めったなことでは食あたりしないことから、「役者として当たらない」=「大根役者」となったというのが有力です。大根のいいところが、マイナスの慣用句に使われているのですね...。





レシピ「大根と手羽元のトマトスープ煮」

 

大根といえば和食になりがちですが、洋風のスープ煮にすれば子供も喜んで食べてくれそうです。しかも鶏とトマトでダシが出るため、調味料は塩・こしょうのみと簡単! 捨ててしまいがちな葉の部分も、ビタミンCやビタミンAなどがたっぷり含まれています。薬味に使って一緒に食べましょう。大根と鶏手羽元を短時間で柔らかく仕上げるため、今回は圧力鍋を使用しましたが、普通のお鍋で作る場合は弱火で30分くらい、アクを取りながらじっくりと煮てくださいね。

 

 [材料約3-4人分]

大根...1/2

鳥手羽元...4-5

ミニトマト...8

サラダ油...小さじ2

塩・こしょう...適量

 

[作り方]

1. 大根は皮をむき、2?くらいの厚さの半月切りにする。葉は根に近い部分を小口切りにする。

2. 圧力鍋にサラダ油を入れて弱めの中火で鶏手羽元の皮の部分を下にして焼付け、裏返して両面に焼き色をつける。

3. 大根を加え、両面に焼き色をつける。ヘタを取ったミニトマトを加えて、ヘラなどでトマトをつぶしながら炒める。下味に塩少々を加えて炒め合わせる。

4. 600mlを加えてふたをして、沸騰してから10分間煮る。火を止め、そのまま自然放置して内部の圧力を下げてからふたをはずす。

5. 再び火にかけて味見し、塩・こしょうを加えて調味する。小口切りにした葉の部分を加えて火を止める。

 

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青首大根です。保存の際は葉から水分が蒸発してしまうため、葉を切り取っておきましょう

 

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今回使用しない大根の皮も捨てずに、細切りにして大根の葉の小口切りとちりめんじゃこと一緒に炒めてキンピラにするのがおすすめです

 

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コンソメを使わない代わりにしっかりと焼き色をつけるのがコツ。おいしいダシが出ます

 

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圧力鍋での調理はふたを開ける瞬間が楽しみ。おいしそうなスープに仕上がりました

 

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短時間調理で鶏肉も大根も柔らか。シンプルだけれど滋味豊かな料理です