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今月のクローズアップ食材 「ハマグリ(蛤)」

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今月は、旬まっただ中のハマグリについてお届けします。ハマグリは北海道南部より南、朝鮮、中国、台湾など分布し、淡水の流入するところで干潟から水深12メートル前後までの浅瀬にいます。日本では各地の沿岸で獲れていたようですが、昭和の後半から干拓や護岸工事、水質汚染などで激減してしまいました。天然のハマグリは今では鹿島灘や伊勢湾、瀬戸内海西部の周防灘、有明海の一部以外では絶滅にひんしている状態だそうです。一方、チョウセンハマグリやシナハマグリを移植し、蓄養している産地もあります。このような状況の中、東京湾のハマグリは2002年に漁協などが試験放流を始め、2007年には出荷できるまでになりました。さらに2011年には約50トンまで出荷が回復したというのは朗報。他の貝にはない深い味わいと豊かな海の香りのあるハマグリが、今後もたくさん獲れるようになるよう願うばかりです。ハマグリの産卵期は夏なので、その準備のため春から初夏にかけて身が太り、甘みが増します。

そんなハマグリ、古くから女性にとって縁起のいい食べ物とされてきました。室町時代にはハマグリの貝殻が嫁入り道具のひとつになっていたそうです。また、一対の貝殻は2枚に分けてもぴたりと合うけれど、別の貝殻とは決して合わないことから、「夫婦和合」を表し、縁起がよいとされています。この特長から、平安時代には対になる貝を多く取った人を勝ちにする「貝あわせ」という遊びも生まれました。33日のひなまつりに食べると良縁を招くとされ、この日は鮮魚店もハマグリがたくさん並びますね。お吸い物にすることが多いでしょうか。

ハマグリにはアノイリナーゼというビタミンB1を壊す酵素を持っていて、加熱することで働かなくなるため、生食は避けたほうがいいとされています。アミノ酸組成のよい良質のたんぱく質が主成分で、脂質はわずか。ですから高たんぱく・低カロリーの食材です。独特のうまみの成分は、コハク酸、アミノ酸のグリシン、グルタミン酸など。栄養面では、鉄・カルシウムが多く、マグネシウム・亜鉛などのミネラル類をバランスよく含んでいるので、貧血を予防したり骨を強化するのに役立ちます。また粘膜を保護するビタミンB2や、肝機能を高め、高脂血症を予防、疲労回復にも役立つタウリンも含まれています。一方、不足する栄養素はβ?カロチンやビタミンCなので、緑黄色野菜と一緒に食べるのがおすすめです。

 ところで、今回、ハマグリに由来することで知らなかったことをひとつ発見しました。なるほど! と思ったので紹介します。少年などが非行に走ることを「ぐれる」といいますね。「はまぐり」の倒語として「ぐりはま」という言葉が生まれ、食い違って合わないことを意味するようになりました。これが「ぐれはま」に変化し、さらに「ぐれ」と略されるようになり、この「ぐれ」が動詞になったのが「ぐれる」なのだそうです。みなさんは知っていました?






レシピ「ハマグリのうまみたっぷりパン粉焼き」

 

 ハマグリのおいしさは、なんといっても、蒸したり茹でたりした時に出るおだし。これを残さず味わえる料理です。ハマグリはしっかりと砂出しして準備しましょう。ハマグリから出るだしの塩分で十分なので、塩の味付けは不要。ハマグリの香りとうまみをたっぷり含んだパン粉の表面はカリッ、中はジュワーッ。何個でも食べられそうです!

 

[材料ハマグリ8個分]

ハマグリ(できれば大きめのもの)...8

パン粉...大さじ3

イタリアンパセリ...5

オリーブオイル...大さじ1

白ワイン...大さじ2

 

[作り方]

1. ハマグリと白ワインを鍋に入れてふたをして酒蒸しし、開いたら貝だけを取り出す。余った蒸し汁は大さじ1杯分になるくらいまで煮詰める。

2. イタリアンパセリはみじん切りにする。ボウルにパン粉、イタリアンパセリ、オリーブオイルを入れてスプーンなどで混ぜ合わせる。

3. 貝殻をねじって切り、身のついている貝殻だけ残す。ナイフなどで貝柱を切って身をはずし、?のボウルに取り出した身、煮詰めた蒸し汁を加えてさらに混ぜる。

4. はまぐりを貝殻に戻し、残ったパン粉を上に乗せる。

5. オーブントースターで約5分、表面に焼き色がつくくらいまで焼く。

 

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千葉産の大きめなハマグリが手に入りました

 

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この時期なら苗がおすすめ。

少しずつ切って使って...どんどん芽が出てくるので楽しいです

 

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パン粉にイタリアンパセリとオリーブオイルを混ぜます。

これはグラタンなどのトッピングにもおすすめ

 

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開いたらすぐに取り出しましょう。身がふっくら、プリプリです

 

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ハマグリにもおいしいパン粉をまとわせましょう。殻に戻してあとは焼くだけ


 

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簡単な料理ですが、とても華やか。春のパーティなどにもおすすめです。

白ワインと相性バツグン