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2012年6月アーカイブ

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みなさんは夏の訪れを感じる食材というと何を思い浮かべるでしょうか。

私は断然そら豆です。ゆでると美しい翡翠色になり、この色が「もうすぐ夏がやってくる」と思わせてくれるのです。そら豆はお店に並ぶ期間が短く、食べれる季節限られています。天に向かって伸びるように生えるので「空豆」、たカイコの形似ているので「蚕豆」という字が使われる場合もあります。

そら豆の薄皮の黒い部分は「お歯黒(おはぐろ)」といいます。この部分には面白い昔話があるので、ちょっと紹介しましょう。

 

 昔、おばあさんがそら豆を煮るためと鍋に入れようとしたところ、一粒のそら豆鍋からこぼれ落ちて、庭の隅にコロコロと転がってしまいました。おばあさんは付かず、鍋に火をつけようとワラを持って来ましたが、そのときに風が吹き一本ワラも庭の隅に飛んでいきました。

 さらにおばあさんは火を炊きつけてそら豆をていると、赤くなった炭が一本下に落ち、これも庭の隅に転がっていきました。

 庭の隅ではそら豆が「わたしたちがここで出会ったのも何かのご縁。一緒お伊勢 参りに行きませんか」と誘います。これに賛同したワラと炭とともに出かけることになりまた。途中、川に行き当たりますが、この川には橋がなく渡るとができません。そこでワラは「わたしは背が高いので橋になるから、渡ってください」といい、そら豆が渡ろうとすると「わたしが先に渡る」と炭が怒り出しました。そら豆負けじと「わたしが先だ」と言い返しケンカになります。挙句、炭はそら豆を突飛ばし、先にワラの橋を渡りはじめました。ところが半分まで渡ったとき、川のれを見た炭は怖くなって足がすくんでしまいます。

 そら豆は「早く渡れ」とせき立てますが炭は動けません。そんな中、ワラは炭の 熱で燃え出して、炭とワラは川に落ちてしまったのです。それを見たそら豆は「先 に渡ろうとするからだ」と大笑い。笑い過ぎてお腹かがはじけてしまい、今度は泣いてしまいます。

 そこに通りかかった仕立屋が泣いているそら豆に「どうしたんで?」と尋ねます。そら豆が事情を話すと、「破れたお腹を縫ってあげよう」と針とを準備しました。ところが仕立屋は緑色の糸を持っていなかったため、黒い糸でったのです。そら豆に黒い筋ができたのは、この時からなのでした。


いかがですか。そら豆を食べるときにお子さんに聞かせてあげてくださいね。


そら豆の栄養面では、ビタミンB1B2C、カルシウムなどミネラルが多く含まれいます。特にビタミンB2は豆類の中でトップクラス。皮膚や粘膜の健康を維してくれます。

そら豆は食感がおいしさの決め手なので、ゆで過ぎは禁物です。また鮮度が落ちるのが早いため、新鮮なものを買ったらその日中に食べるのがおすすめ。 サヤから出すと水分が蒸発して味わいも栄養価も落ちるので、さやから出したらすぐに調理しましょう。ゆでる前に、仕立屋が縫った()黒い部分に切れ目を入れると、塩味が入りやすいうえ、薄皮にシワができにくく、むきやすくなりますよ。

 


お知らせ

この夏も、節電を心がけなくてはならない状況です。これからは電気だけでなくガスなどのエネルギーを節約する「節エネルギー」を目指してみませんか。来月より、この料理ページに「節エネルギー」にピッタリの新企画が登場します

乞うご期待ください!

 

 

 

レシピ「そら豆とトマトと卵の炒めもの」

 

中華の定番、トマトと卵のいため物は、簡単スピードメニュー。

炒めトマトのほどよい酸味とうまみが卵に入って、箸が止まらなくなるおいしです。これにそら豆を足したら、さらにうまみがアップし、そら豆の香も相性ピッタリ。フワフワ食感にほくほくの歯ごたえも加わり、食べごたえもあります。

 

 [材料2-3人分]

 そら豆...10-12個

 トマト...中サイズ 1個

 卵...3個

 青ネギ...2-3本

 酒...大さじ1


 しょうゆ...小さじ1


 オイスターソース...小さじ1


 塩・こしょう...少々


 サラダ油...大さじ1

 

 [作り方]

1.そら豆はさやから取り出し、黒いスジに包丁で切り込みを入れる。鍋にお湯を沸かし、2%の塩を入れ、沸騰したらそら豆を入れて2分間茹でる。ざるに上げ、うちわなどであおいで冷まし、薄皮をむく。

2.トマトは熱湯に入れて取り出し、皮をむいてから一口大のぶつ切りにする。

3.ボウルに卵を入れて溶き、酒、しょうゆ、オイスターソース、塩、こしょうを加えてぜる。

4.中華鍋(なければ大きめのフライパン)にサラダ油を入れて弱めの強火で熱し、トマトとそら豆を入れてサッと炒めたら卵を加えて、大きく返すように手早く炒める。

5.卵がふんわりとしたら火を止め、皿に盛り付ける。

6.万能ネギを散らす。


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そら豆: 撮影日は時期が少し早く、ちょっと小さめのそら豆です。



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トマトぶつ切り : 湯むきしてからぶつ切りにしましょう。



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卵液 : スピードが大事な料理なので、調味料はあらかじめトマトに混ぜておいて

時間を短縮します。



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トマトとそら豆を炒める:

トマトとそら豆を入れたら、トマトから水気が出ないようサッと炒めましょう。



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卵をいれる : お玉やヘラを使って大きく混ぜ合わせるのがコツ。



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完成 : 多少水気が出ても、おいしいスープなので気にしないでOK

ごはんに乗せてもおいしいですよ。